横浜流星、橋本環奈の”これまでにない姿”に「とても新鮮でした」『春に散る』初日舞台挨拶で称賛の言葉送る
橋本環奈、自身の演じた役は「初めての静かな空気感の女の子」
佐藤浩市と横浜流星W主演の『春に散る』が公開を迎え、初日舞台挨拶が開催。佐藤、横浜、橋本環奈、山口智子、哀川翔、小澤征悦、瀬々敬久監督が揃って登壇した。
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佐藤は、撮影中に本作の仕上がりについてある種の“手応え”を感じていたそうで、「流星をはじめ、窪田(正孝)やみんなのボクシングシーンを見た時に『これはいけるんじゃないかな』という確信はありました」とふり返る。
そのボクシングシーンについては、横浜が実際にプロボクサーのライセンスを取得したことも大きな話題を呼んだ。当の横浜は「ボクシングの試合というものは、格闘技を知らない方にはただの殴り合いに見えると思います。ただ、その中に緻密に計算された技術や駆け引きがあって、シンプルなんですが奥深くて、リングに立つとその人の“人生”が見えてきます。(自身が演じた)翔吾に関して言えば『いま、この瞬間を大事に悔いなく生きられたら』と思っていたし、翔吾には仲間がいるので、その周りの仲間の思いを拳に乗せて、ひとつひとつ、大事に闘志に火を燃やしてリングに立っていたので、彼らのファイトをお見せして、みなさんを心から熱狂させられたらいいなと思っています」と熱い思いを口にする。
そんな横浜らのボクシングシーンを共演陣も絶賛。小澤は「すごかったです。最後の試合を撮るのに、ぶっちゃけ4日かかっているんです。流星も窪田もずっとストイックにボクシングをしていて、こっちは応援している側ですが、その姿を見ているだけで、感動するんですよね。それがそのままスクリーンに反映されています」と称賛を送る。
さらに小澤は、佐藤と横浜が現場で作り上げていった、仁一と翔吾の関係性についても「ひとつの目的に向かって掛け値なしに、何の打算もなく走ろうとする男の背中──セリフではなく、年の違う2人の男たちが同じものに向かっていく背中がカッコいいなと思いました」と羨望をにじませながら語った。
ボクシングジムの会長役を演じた山口だが、本作に参加する以前は「どっちかというと、ボクシングはキライでした(苦笑)。痛くてつらくて、愛する人を巻き込んで命を懸けて血だらけになって…意味不明!というところから入ったんですが…」と告白。そんな思いを抱えたまま、本作のために寺地拳四朗vs京口紘人のタイトルマッチの観戦に足を運んだそうだが、試合を目の当たりにし「そこで心に浮かんだ言葉は『美しい』でした。嘘がなくて、そこに立ち現れる奇跡のような聖なる輝き──ボクシングってなんだかすごいんだ!って思っちゃったんですよね」とすっかりボクシングに魅了された様子だった。
橋本は、映像になったボクシングシーンを見て「先ほど流星さんが言っていた読み合いや心理戦の部分が伝わってきたし、全く長く感じなかったです。本当に戦っていると心から思ったし、一瞬、一瞬を見逃せないなというのを感じました」と興奮気味に語る。自身が演じた佳菜子役については、「初めての静かな空気感の女の子で、すごく新鮮でした。芯の強い、明るい子を演じることが多いので、面白かったです」と笑顔を見せた。
横浜は、これまでにない橋本の姿に「とても新鮮でした。佳菜子の存在は翔吾にとっても大きいので、すごく影響されました」と語り、佐藤も「映画の中で、各々の背景をあまり謳ってないんだけど、彼女の役の出自やどういう人生を送ってきたかというのを、そこはかとなく感じさせるお芝居をしていたと思います」と惜しみない称賛の言葉を送っていた。
哀川は、仁一の昔からの仲間である次郎を演じたが「昔の仲間でありながら、距離のある難しい役でした」とふり返りつつ、佐藤との共演について「ふとしたセリフのないときに、芝居の中でものすごい(佐藤の)視線を感じて芝居をしてました。長い付き合いの中で、こういうお芝居をする機会ってなかなかないので、楽しくやらせていただきました」と嬉しそうに語った。
最後の挨拶では、横浜は「人生は選択や戦いの連続だと思うし、みなさんも日々戦っていると思います。そんな方々の背中を押すことができればと思うし、いまを大切に生きることの素晴らしさが少しでも伝われば嬉しいです」と客席に向かって語りかけ、瀬々監督は「ボクシングは1ラウンド3分ですが、後楽園ホールでは電光掲示板に残り時間が出ます。残り時間が長い人も短い人も、どう生きるか?ということをテーマにした映画です。若い人もお年を召した人も、女性も男性も『どう生きるか?』ということをこの映画から持って帰ってもらえたらと思います」と語り、温かい拍手の中で舞台挨拶は幕を閉じた。
『春に散る』は現在公開中。
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