2月公開作の1位は『グレイテスト・ショーマン』。2月16日から公開され、10日間で興収13.5億円を上げている。昨年の大ヒットミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』(最終興収44.2億円)対比で85%と快調なスタートを切っている。
・1月のランキング1位は『キングスマン』。配給戦略が奏功し前作上回るヒット!
ミュージカル映画という内容から映像を活用した宣伝に注力。1月17日に「バブリーダンス」で注目を集めた大阪府立登美丘高校ダンス部とコラボレーションしたダンス映像をYouTubeで公開。2月5日によしもとクリエイティブ・エージェンシーとコラボし、アカデミー賞主題歌賞にノミネートされた『This Is Me』の特別動画をYouTubeで公開。公開に先駆けて製作発表記者会見を実施し、お笑いコンビ「チュートリアル」の徳井義実、「トレンディエンジェル」のたかしと斎藤司、「尼神インター」の誠子と渚、「南海キャンディーズ」のしずちゃんが出席した。
そして公開3日前となる2月13日に主演のヒュー・ジャックマンと共演のキアラ・セトルが来日。東京・歌舞伎町シネシティ広場でスペシャルイベントを行い、翌14日に記者会見を実施した。さらに秋元康を起用したTVCMを製作。「アイデアがすごい散りばめられている。音楽だったりダンスだったり、サプライズがいっぱいなので、間違いなく大ヒットするでしょうね」とのコメントを放送した。これらの宣伝も集客に貢献したようだ。
昨年は『美女と野獣』『ラ・ラ・ランド』とミュージカル実写映画や、『モアナと伝説の海』『SING/シング』とミュージカルアニメ映画が大ヒットした。『グレイテスト・ショーマン』のヒットぶりを見る限り、今年に入ってもミュージカル映画ブームは続いているようだ。3月に入ってからもミュージカルアニメ映画『リメンバー・ミー』(16日公開)が控えており、こちらもヒットが期待される。
僅差の3位は『不能犯』。主演の松坂桃李と沢尻エリカがバラエティ番組などに出演してPRに務めた。
なお、東野圭吾原作『新参者』シリーズの完結編『祈りの幕が下りる時』は1月27日から公開され、2月25日時点で14億円。前作『麒麟の翼 劇場版・新参者』(最終興収16.8億円)に迫る成績となっている。文:相良智弘/フリーライター)
[2月公開作ランキング]
1位『グレイテスト・ショーマン』13.5億円
2位『今夜、ロマンス劇場で』7億円
3位『不能犯』6.8億円
(2月25日時点。ムビコレ調べ)
相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。
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