三浦春馬主演で、伊坂幸太郎“初”にして“唯一”の恋愛小説集「アイネクライネナハトムジーク」が映画化されることがわかった。『こっぴどい猫』(12年)や『パンとバスと2度目のハツコイ』(公開中)などの作品で知られ、“ダメ恋愛映画の旗手”とも称される新鋭・今泉力哉監督がメガホンをとる。
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原作は2014年に単行本が発売され、17年に文庫化、現在に至るまでに42万部(電子書籍を除く)を売り上げるベストセラー。「アイネクライネ」に始まり「ナハトムジーク」で終わる6章の短編から成る1冊の本で、実はこの本が生まれるきっかけとなったのはアーティストの斉藤和義だった。
もともと伊坂が会社勤めをしていた頃、斉藤の「幸福な朝食 退屈な夕食」を聞いて退職を決意し、執筆活動に専念することを決めたという逸話がある。2人の交流は、斉藤が伊坂に“出会い”をテーマに作詞を依頼したことに始まる。この依頼を受け、斉藤の大ファンである伊坂は、苦手な恋愛モノでも「作詞はできませんが、小説を書くことならば」と短編小説を執筆。これが第1章の「アイネクライネ」だ。
これを受けて斉藤は、伊坂の「アイネクライネ」の文章から楽曲「ベリー ベリー ストロング 〜アイネクライネ〜」を制作。この曲がシングルカットされるにあたり、初回限定盤に付属される特典用小説として、さらに伊坂が書き下ろしたのが「アイネクライネナハトムジーク」の第2章となる「ライトヘビー」だった。
この6章の短編の中には、登場人物それぞれに伏線が敷かれ、最終章でそれが回収されるという伊坂ならではの仕掛けがあるのだが、映画でもそれが三浦演じる佐藤という男を中心に展開していく。クランクインは4月。オール仙台ロケで撮影を敢行予定だ。
伊坂は「『こっぴどい猫』がとても味わいのある群像劇だったので、今泉監督なら、この小説を面白い映画にしてくれるのではないかとお願いしました。自分の小説世界が、今泉さん風に変換されるのが今から楽しみです。三浦春馬さんは僕の別作品『チルドレン』のドラマにも出てくれたことがあります。また出演してもらえてうれしいです」と述べている。
『アイネクライネナハトムジーク』は今冬、全国公開となる。
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