宮沢りえ、釜山国際映画祭で障害者殺傷事件モチーフにした『月』について語る「時々逃げ出したくなることもありましたが…」
日本から杉咲花、田中麗奈、中国からファン・ビンビン、チョウ・ユンファも参加
宮沢りえ主演、共演にはオダギリジョー、磯村勇斗、二階堂ふみといった布陣で製作した映画『月』。本作が第28回釜山国際映画祭ジソク部門(Jiseok部門)に出品され、10月4日に実施されたオープニングレッドカーペットイベントに、宮沢りえ、石井裕也監督が参加した。
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原作は、実際の障害者殺傷事件をモチーフにした辺見庸による同名小説。事件を起こした個人を裁くのではなく、事件を生み出した社会的背景と人間存在の深部に切り込まなければならないと感じたという著者は、〈語られたくない事実〉の内部に潜ることに小説という形で挑戦した。
YouTubeで公開された本作の予告編は大きな反響を呼んでおり、「予告編を見ただけで震えた。こういう邦画を待っていた。難しい題材を作品にしてくれた事に感謝」「映画化するにはまだ早い気が、、、 予告だけで胸が締め付けられる」「後世まで忘れられてはいけない事件を実力派俳優らで残すのはすごく良いことだと思う」など様々なコメントが寄せられている。
10月4日、釜山国際映画祭のオープニングイベントが行われた。会場は5000人のアジア最大規模の会場のキャパシティを埋め尽くす人々で埋まり、大盛況のオープニングとなった。コロナ明けからは2回目の開催となる今年は、日本からのゲストも多く来韓しており、宮沢りえ、杉咲花、田中麗奈ほか華やかな女優陣たちが参加した。
映画祭のナビゲーターとして、『パラサイト 半地下の家族』(19年)『ベイビー・ブローカー』(22年)のソン・ガンホが登壇。レッドカーペット上で石井裕也監督、宮沢らとも握手を交わし、観客に大きくアピールをした。他、中国の至宝ファン・ビンビン、そして中国のスター俳優チョウ・ユンファらも参加し、華やかな映画祭のスタートとなった。
初めて釜山国際映画祭に参加した宮沢は、レッドカーペットを歩く前に「まだホテルの周りしか見れておりませんが、空港からホテルに着くまで文化的な伝統ある風景と、近代的なビルが混在していてとてもエネルギッシュな街だといました。あと、参鶏湯が美味しかったです(笑)」と初の映画祭への期待を覗かせた。釜山映画祭は10年ぶりという石井監督は、「釜山に来るときはいつも気分が高揚するので、今回も楽しみにしています」と語った。
また、本作の主人公を演じる上で宮沢は、「洋子(宮沢が演じた役)が持っている様々な葛藤から逃げ出さずに、向き合い続けるということにとてもエネルギーが必要でしたし、時々逃げ出したくなることもありましたが、精神力を保つことが一番大変でした。でも監督のエネルギー、スタッフの誠実さ、そして頼もしいキャストの皆さんに支えられて逃げ出さずに来れたと思います」と作品に対する道のりを語った。
石井監督はこの題材を映画化することについて、「チャレンジングな題材だということはわかっていたので、怖いという思いが先行しましたが、同時にこれはどうしても自分がやらなければならない映画だということは確信しました」と覚悟を持って作品に挑んだことを明かした。
出演した俳優に関しても監督は、「名実ともにトップの俳優の方々が覚悟を持って集まってくださいましたし、その上この映画をやり遂げるという強い思いと覚悟を持って挑んでくださったので、爽雨方々の競演はとても見応えがありましたし、現場では幸せな思いをずっと持っていました」と語った。
『月』は10月13日より全国公開。
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