10代と50代「キャストが好き」で一致、5月のランキング1位はこれ!

#ラプラスの魔女#映画興収レポート

5月に入ってからも『名探偵コナン ゼロの執行人』は絶好調だ。週末興行ランキングでは、5月の4週も連続で首位を獲得。総興収は75.7億円にのぼり、シリーズ6作連続で最高興収記録を更新した。また『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は興収35.2億円にのぼり、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(32.1億円)を上回り、『アベンジャーズ』(36.1億円)に迫っている。

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5月の公開作1位は、東野圭吾原作のミステリー小説を映画化した『ラプラスの魔女』。2つの不審死の事件現場は離れていたが、死因は同じで、死亡した2人は知人同士だった。櫻井翔は警察から不審死の調査を依頼される大学教授、広瀬すずは不審死と関連のある自然現象を予知する女性、福士蒼汰は彼女が探す男性を演じる。

配給元・東宝のWEB初日アンケートによると、客層は男女比が2対8、年代別ではハイティーンと50代が21.7%。鑑賞動機(複数回答)では「キャストが好きだから」81.9%、「原作小説が好きだから」28.6%と、人気俳優のキャスティングが動員増の原動力となっている。4月4日には東京ミッドタウン日比谷ステップ広場で完成記念イベント、19日には日本大学桜上水キャンパスで特別講義イベント、5月4日の公開初日にはTOHOシネマズ日比谷で舞台挨拶を実施。櫻井翔、広瀬すず、福士蒼汰らが出席してPRに務めた。

2位は『孤狼の血』。「警察小説×『仁義なき戦い』」と評される柚月裕子の小説を映画化。昭和63年、暴力団対策法成立直前の広島の架空都市・呉原、地場の暴力団・尾谷組と広島の加古村組の抗争がくすぶる中、加古村組関連の金融会社社員が失踪する。新人刑事・日岡(松坂桃李)はベテラン刑事・大上(役所広司)と事件の捜査にあたる。

4月18日には東京・新宿バルト9で特別試写会が行われ1日限定宣伝大使に就任した梅沢富美男が出席。25日には東京・丸の内TOEI1で完成披露試写会が行われ役所広司、松坂桃李、真木よう子ら出演者や白石和彌監督らが出席。5月12日には東京・丸の内TOEIで初日舞台挨拶が行われ出演者や監督が出席した後、同日の19時からは撮影の舞台となった広島で公開記念広島凱旋レッドカーペットが開催された。これらの話題性が動員を後押しした。また続編の製作も発表された。

3位『ピーターラビット』は名作絵本の実写映画化。豊かな自然に囲まれたイギリスの湖水地方、うさぎのピーターは、多くの仲間に囲まれ、自然を愛する女性ビアと幸せに暮らしていたが、ビアの隣にロンドンから神経質な男性トーマスが引っ越してきたことで日常が一変する。日本語吹替版でピーターラビットの声を演じた千葉雄大がバラエティ番組に出演してPRに務めた。(文:相良智弘/フリーライター)

[5月公開作ランキング]
1位『ラプラスの魔女』11.9億
2位『孤狼の血』5.8億
3位『ピーターラビット』5.5億
(5月27日時点。ムビコレ調べ)

相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。