(…中編「原作を凌駕するほど煽情的! お茶の間で見るのは避けるべき話題作」より続く)
【元ネタ比較】『ポルノグラファー』後編
原作のように一歩踏み込んで描いてくれることに期待!
自転車事故でポルノ小説家の木島の腕を骨折させたため、大学生の久住が口述筆記するBLコミック「ポルノグラファー」がドラマシリーズ化された。
ポルノ小説家である木島は、久住と同様にこちらもイケメンの竹財輝之助が扮し、思わせぶりで一癖も二癖もある男を大人の色香を漂わせて巧演。この作品が成功するかどうかのキモとなる木島の人物像を魅力的に再現している。
木島は自分の言動でドキドキしたり反応してしまったりする久住を見て楽しんでいるズルい大人で、平気で嘘もつく。でも、それだけじゃない。ミステリアスで影のある木島には本当に秘密があり、心の傷も内包している。人を振り回す気質の厄介な人物ではあるが、内に秘めている部分は非常にピュアであり、ただの面倒臭い男として放って置けない、人を惹きつける魅力があるのだ。
今後の展開で竹財が木島をどう演じていくのか注目のポイントである。木島の過去を知り、木島の近くにいる重要な人物である編集者の城戸もこれから登場する予定なので、これからの展開が楽しみだ。久住の方は純朴な大学生だったのに、木島と出会ったことで未知の感情を目覚めさせ、心揺さぶられながら少しずつ変化してゆく。そう、原作はただエロくて刺激的なだけじゃなく、人物像の厚みやキャラクター同士の関係性、濃やかな心の機微が描かれているのだ。そこが読者を惹きつける大きな魅力だろう。ドラマシリーズ1話目の感触からすると、表層的で終わらせずに一歩踏み込んで描いてくれそうな予感がする。今後の展開をしっかりと見守っていきたい。
本作に興味を持った方は同原作者のBLコミック「インディゴの気分」も読むことをオススメしたい。木嶋と城戸の過去を描いた前日譚で、こちらも読むと物語の厚みを感じられて『ポルノグラファー』を尚一層、楽しむことができるはずだ。(文:矢野絢子/ライター)
『ポルノグラファー』はフジテレビにて毎週木曜/夜1時25分から放送中。また、FODにて毎週土曜日0時最新話先行配信。
PICKUP
MOVIE
INTERVIEW
PRESENT
-
安田淳一監督のサイン入りチェキを1名様にプレゼント!/『侍タイムスリッパー』
応募締め切り: 2025.01.10 -
ダイアン・キートン主演『アーサーズ・ウイスキー』一般試写会に10組20名様をご招待!
応募締め切り: 2025.01.04