『コード・ブルー』は15年ぶりの100億円超えとなるか!? 夏映画興収を総括する

#コード・ブルー#映画興収レポート

『劇場版コード・ブルー‐ドクターヘリ緊急救命‐』
(C)2018「劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」製作委員会
『劇場版コード・ブルー‐ドクターヘリ緊急救命‐』
(C)2018「劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」製作委員会

9月に入り、夏休みが終了した。夏興行の勝ち組、負け組を総括してみよう(興行収入は9月2日時点、ムビコレ調べ)。

勝ち組の筆頭は『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』。興行収入は83.3億円で、16年の『シン・ゴジラ』(82.5億円)を超えた。

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2000年代半ばから10年代はじめにかけては、テレビドラマの劇場版に興収70億円超えの大ヒット作が毎年生まれ、邦画界を席巻していた。06年『LIMIT OF LOVE 海猿』(71億円)、07年『HERO』(81.5億円)、08年『花より男子ファイナル』(77.5億円)、09年『ROOKIES-卒業-』(85.5億円)、10年『THE LAST MESSAGE 海猿』(80.4億円)、『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ』(73.1億円)、12年『BRAVE HEARTS 海猿』(73.3億円)。テレビドラマの劇場版が興収70億円を超えるのは本作が6年ぶりのこと。このまま興収を伸ばし100億円を超えれば、邦画実写としては03年『踊る大捜査線 THE MOVIE 2』(173.5億円)以来、15年ぶりとなる。

 『ジュラシック・ワールド/炎の王国』は79億円。15年の前作(95.3億円)に届くかは微妙なところだが、前作に引き続きMX4D、4DX、IMAXが興収増に貢献した。『インクレディブル・ファミリー』(44.7億円)、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(42.8億円)も勝ち組。『Mr.インクレディブル』が52.6億円、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』が51.4億円なので、前作まであと少しだ。

 『銀魂2 掟は破るためにこそある』は公開後17日間で24.4億円をあげ、前作をやや上回るペース。『検察側の罪人』は週末興行ランキング2週連続トップで14.3億円を記録。どちらも勝ち組だ。

16億円を超えた『カメラを止めるな!』ももちろん勝ち組。9月に入ってからも上映館数が増えているので、興収がどこまで伸びるか気になるところだ。

負け組の筆頭は『BLEACH』で興収は5億円程度。人気マンガの実写映画化としては『ジョジョの奇妙な冒険』『鋼の錬金術師』に続き、映画関係者の期待外れの興行成績となった。『マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー』は公開後10日間で5.3億円。前作の半分程度の出足で伸び悩んでいる。『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』の22億円は大ヒットの成績だが、『ローグ・ワン』(46.3億円)の半分と伸び悩んでいる。アメリカの興行成績が伸び悩んだ影響が出たのかもしれない。

 『未来のミライ』は28億円で、過去作と比べると伸び悩んでいる。09年『サーマーウォーズ』(16.5億円)、12年『おおかみこどもの雨と雪』(42.2億円)、15年『バケモノの子』(58.5億円)と右肩上がりで興収を伸ばしてきたが、本作は『バケモノの子』の約半分だ。(文:相良智弘/フリーライター)

相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。