高良健吾、大東駿介&石田卓也との共演は「照れ臭かったですね」
罪の真実と正義の在り方を問う本格ノワールミステリー映画『罪と悪』の公開記念舞台挨拶が開催された。イベントには、主演の高良健吾、共演の大東駿介、石田卓也、そして監督・脚本を務めた齊藤勇起が登壇し、撮影の裏側や撮影エピソード、作品に込められた思いを語った。
・高良健吾、『罪と悪』は「3~4年前、監督から構想を公園で聞いていた」撮影地・福井の上映で感慨深げに振り返る
いよいよ公開を迎え、満員の劇場の温かい拍手に包まれて登壇したキャスト&監督。高良は「いよいよ今日を迎えられてとても嬉しいです。昨日が初日だったんですが、嬉しい気持ちはあるのですが、朝から少しセンチメンタルな気持ちになりまして。自分のもとから羽ばたいていくので、その寂しさもあって、監督に連絡したら、初日の初回を見ていたという。皆それだけこの作品に対して気持ちがあるんだなと思いましたね」としみじみ。
今回幼馴染の雰囲気を作るために話し合ったことや役作りについて尋ねられると、高良は「(撮影前に)5〜6時間話したんですけど、こういうことってあんまりないですよね。でもそれがなかったら違う映画になっていたと思います」と振り返る。
大東は「その本の話も重要だったんですけど、皆がこの位置でこの作品に向き合って、共通認識を持てて、熱量を共有できたのがよかったですね」と述懐。
石田は「あとは単純に3人で顔合わせたのが10数年振りだったので、本当に嬉しかったですね」と撮影のはじまりを振り返る。
また、高良は「10代の時からみんな知っているので、照れ臭かったですね」と正直な気持ちを吐露。大東も「会う時は、最初に再会するシーンのような気分だったので、その時のことを想像しながら撮影もやっていましたね」と語った。
監督は「助監督を長い間やらせていただいたのですが、その時からこういうスタイルで現場に臨みたいなと思っていたので、それを叶えてくれて感謝しています。皆さん本をしっかり読んできてくれて、2度とない時間かなと思うと有意義で愛おしい時間でしたね」と当時を振り返る。
そして高良が「描かれていない自分たちの時間をどう咀嚼して、どう解釈しているのか、という確認でしたね。同じ方向を向いていないと違う作品になる気がしていただので、その確認ですよね。その中で『1回声出してやってみましょうか』という感じになって、本当にあまりないですよね」と改めて贅沢な時間を振り返った。
舞台挨拶当日が2月3日節分の日ということで、タイトル『罪と悪』にかけて、「払いたい悪」について聞かれると、高良は「禁煙ですかねえ。何度も止めようってなって、最長7ヵ月とか止められたんですけど、嫌なことがあると吸っちゃうんですよね(笑)」と告白し、会場も盛り上がる。
そんな高良に石田は「喫煙する時間が打ち合わせの時間みたいになりますよね。僕は、いまはタバコやめちゃったんで、そこでしか話されてない話があるんで、『いいな〜』って思いますね」とボソリ。続けて「僕、食欲がすごくて、お腹空いてなくても食べちゃう、朝もご飯3杯食べちゃうんですよね。それが撮影に影響することがあって、ちょっと気をつけなきゃな〜って思いますね。その分動いてプラマイゼロにしているんですけど、やめられないですね〜」と意外な一面を披露した。
監督が「僕は普通なんですけど、集中力。(本を)書いたら早いんですけどね。書くまでが、ダラダラしたり、映画見に行って感動して書かなかったりで。メリハリをつけたいですね」と話すと、大東は「僕は物忘れがとにかくひどくて。仕事以外のことすぐ忘れちゃうんですけど、大人だしちゃんとしようと思って!」と一言。
そして大東は、先日のテレビ出演の際のエピソードを明かし、「住職さんから説法を伺う機会があったんですね。その中であったのが、自分の中の業みたいなものが鬼なんですって。それを受け入れてから乗り越えるのが本来の節分の役割なんだよって言われて。色々考えていること自体が、よくないらしいよ!」とタメになる話を披露。「鬼は外って言いたくないんですよね。わかるわかる」と高良も同意する中、会場から拍手があがると、「(言ったのは)俺じゃないんだけどね(笑)」と返す大東だった。
20年の時を経て描かれるこの作品にかけて、20年後の自分へ「こうありたい」というイメージ、夢や願望などを尋ねられると、高良は「ランニングとかしてたいですね。自分の祖父が90歳くらいまで毎日欠かさず走ってたんですよ。毎日、雨の日以外走っていたんで、何かを続けられる人って凄いなって思うんですよね。コツコツ続けて、走れる人でいたい。健康でいたいですね」と回答。
石田は「俳優以外に農業もやっていて、20年後は自分の農地を持って、農業をやりつつ、俳優をやれたら幸せかなと思います。で、こうやって皆で集まれたらいいですよね」とコメント。
大東は「生きてたい、ってことと、子どもが成人しているので、バンドやりたいですね。『大東’s』結成!的な。いまモンスターバンドをやっているんですが(笑)、子どもともやりたいですね。そういう遊びにも本気で挑める60歳前でいたいなって思いますね」と思いを明かす。
最後に高良が「賛否両論ある作品だと思いますが、タイトルの通り軽くはないですが、こういう作品だからこそ、普段自分が出会わないような感情、考えに出会えるし、また新しい価値観に出会える作品になっていると思います。『この映画から与えよう、与えよう』というより、ひとりひとりが見つけに行くような作品になっていると思います。色々話しましたが、映画なんで楽しんでいってほしいなと思います!楽しんでいってください!」と締めくくり、舞台挨拶は幕を閉じた。
『罪と悪』は現在公開中。
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