77人の犠牲者出した連続テロ事件を72分間ワンカットで撮影した衝撃作の予告編解禁

#連続テロ事件

『ウトヤ島、7月22日』ポスタービジュアル
(C) 2018 Paradox
『ウトヤ島、7月22日』ポスタービジュアル
(C) 2018 Paradox
『ウトヤ島、7月22日』ポスタービジュアル
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2011年7月22日に実際に起こったノルウェー連続テロ事件。77人もの尊い命を奪ったこの事件での、ウトヤ島での無差別銃乱射事件発生から終息に至るまでの72分間をワンカットで撮影した『ウトヤ島、7月22日』の予告編が解禁となった。

『ウトヤ島、7月22日』その他の場面写真

治安が安定した北欧の福祉国家ノルウェーが、悪夢のような惨劇に襲われた。その日、午後3時17分、首都オスロ政府庁舎爆破事件により8人が死亡。さらに午後5時過ぎ、オスロから40キロ離れたウトヤ島で銃乱射事件が発生し、ノルウェー労働党青年部のサマーキャンプに参加していた10代の若者など69人が殺害されたのだ。犯人はたった1人。当時32歳のノルウェー人、アンネシュ・ベーリング・ブレイビクだった。

ノルウェーでは各政党ごとに青年部があり、夏になると若者たちを集めてサマーキャンプを開催する習慣がある。犯人のブレイビクはウトヤ島で労働党青年部のキャンプが行われるこの日に狙いを定め、オスロで爆破を実行したのちに車で移動し、警官になりすましてボートで島へ上陸。何の罪もない少年少女を、ライフルと小銃で手当たり次第に撃ちまくった。

現地からの度重なる救助要請にもかかわらず、警察の初動ミスに通信トラブルが重なったため、ブレイビクの冷酷な凶行は72分間にも及んだ。本作は、このウトヤ島でのテロに焦点を絞り、事件発生から終息に要した時間と同じ尺、つまりリアルタイムの72分間ワンカットで無差別銃乱射事件を映像化するという手法に挑戦。センチメンタルなドラマや音楽などの装飾を一切排除し、登場人物の心の葛藤と身体的な反応を生々しいほどダイレクトに伝えてくる。映画と観客の間の垣根をすべて取り払い、想像を絶する緊迫感と臨場感でこのテロ事件を体感させる衝撃作になっている。

メガホンをとったのは『ヒトラーに屈しなかった国王』で、アカデミー賞外国語映画賞ノルウェー代表作品に選出されたエリック・ポッペ監督。本作は2018年度、第68回ベルリン国際映画祭エキュメニカル審査員賞スペシャルメンション、第31回ヨーロッパ映画賞撮影監督賞を受賞している。 

解禁となった予告編は「2011年7月22日 ノルウェー ウトヤ島で実際に起こった悲劇」というテロップとともに幕開け。母親と携帯電話で「ここはウトヤ島よ。世界一安全だから何も心配いらない」と話している少女が映し出されると、次いで銃弾の音が聞こえ、「犯人は警官になりすました、たった1人の男」というテロップが挟まった後、この島が惨劇の現場となっていく様子が描かれていく。

逃げ惑う若者たち。彼らは時に、森の中で寝そべり身を潜めたり、キャンプ場のテントの脇を這いつくばって逃げるなど、緊迫した様子が映し出されていく。そして、銃声が響き渡り、次々と仲間たちが殺されていく中、必死に逃げ惑う少女は、見失った妹を探すが……。

『ウトヤ島、7月22日』は3月8日より全国公開となる。