上白石萌音、日本でも生理の話が気軽にできるようになればと願い語る
映画『夜明けのすべて』がベルリン国際映画祭の【フォーラム部門】に正式招待され、松村北斗、上白石萌音、三宅唱監督が現地に赴き映画祭に参加した。
本作は、公開初週の3連休で、動員13万人、興行収入1億8620万円を突破するなど大ヒット中。映画祭では21日の夜に本作のインターナショナルプレミア上映が行われ松村、上白石、三宅監督が舞台挨拶、Q&Aに登壇した。
ベルリン初参加の松村、上白石。感想を聞かれた松村は、「日本の東京の小さな街で撮影した映画なので、渡航してようやくこの(ベルリンの)街の風景を見て、やっと今世界に届いているんだと感動し始めています」とコメント。昨年声優として出演した『すずめの戸締まり』もベルリン国際映画祭に正式出品されており、今年で2年連続の招待となるのものの、昨年は参加が叶わなかった松村は、「リベンジの気持ちもあります」と続けた。
Delphi Filmpalast劇場で行われたプレミア上映、670席が満席となり大きな拍手が鳴り響く中で壇上に上がった3人。松村と上白石は「Guten Abend(グーテン・アーベント/こんばんは)」とドイツ語で会場に呼びかけてから、流ちょうな英語で挨拶した。
PMSやパニック障害というそれぞれの生きづらさを抱えた男女を演じた松村と上白石。「これらのテーマに関心を持ったからこの映画に参加したのか」という質問に対し松村は、「この映画を通して全てを知ることは不可能だけれど、一歩、半歩でもその症状に対して寄り添ってくれたらいいな、という思いは強く持ちながら演じていました」。上白石は「まず初めにお聞きしたいんですが…日本では女性の生理の話を男性とはしづらいのですが、それはこちらも一緒ですか?」と皆に質問。会場から「そうでもない」という答えが返ってくると「日本もそうなるといいな、そういうきっかけにこの映画がなればいいな、と思っています」と笑顔を浮かべた。
・松村北斗、上白石萌音への密かな気遣いを察知されず「僕の気遣いはシームレスですから…」
プレミア上映終了後の囲み取材で三宅監督は「上映後、お客さんから力強い拍手をいただき感激しましたし、2人のキャラクターを友だちみたいに愛して見てくれていたんだと感じました」とコメント。松村は「いろんな人の人生がそのまま映し出されている映画なのですが、人生のしんどいこともと笑えることも、お客さんが一緒になって感じてくれている空気が伝わってきました」、上白石は「会場の反応が鮮やかで本当にびっくりしました」と感想を述べた。
初めてベルリン国際映画祭に参加したと松村と上白石だが、「お客さんの見方がすごくプロだなと思い、大変心地良かったです」と松村、上白石は「国籍や人種が違う色々な方がいましたが、みんな同じところで笑ったり、張り詰めたりしていて、文化や言葉を超えた共通の何かがあるんだな、と感じました」と語っていた。
本作でのベルリン国際映画祭参加だけでなく、第51回アニー賞で声優賞(映画部門)へのノミネートを果たすなど活躍が続く松村だが「(国際的に評価されることを)まだ野望と掲げていい立場に自分はいない」と話していた。
本作は、「そして、バトンは渡された」で2019年本屋大賞を受賞した瀬尾まいこの原作小説を、『ケイコ 目を澄ませて』で国内外から高く評価され、毎日映画コンクール日本映画大賞・監督賞などを受賞した三宅唱監督が映画化。NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』で夫婦役を演じた松村北斗と上白石萌音が映画初共演&W主演。
月に一度の PMS(月経前症候群)で自らの感情をコントロールできなくなる藤沢さん(上白石萌音)と、パニック障害を抱えたことで人生が一変した山添くん(松村北斗)。職場の同僚として過ごす中で互いの“生きづらさ”を知ったふたりが、「自分のことはどうにもならなくても、相手を“助けられることはある”」と支え合っていく姿が共感を呼ぶ。
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