是枝裕和監督作『万引き家族』が最高賞のパルムドールを受賞したことが話題になった第71回カンヌ国際映画祭で、長編デビュー作ながらカメラドール(新人監督賞)ほか3冠に輝いたのが、評論家・観客から「ニュー・ドラン(第2のグザヴィエ・ドラン)」とも称される、新鋭ルーカス・ドン監督による『Girl(原題)』だ。この映画の邦題が『Girl/ガール』に決定し、予告編とポスタービジュアルが解禁となった。
本作は、バレリーナになるために奮闘するトランスジェンダーの少女の記事に心を動かされたルーカス・ドン監督の、「必ず彼女を題材にした映画を撮る」という強い思いから誕生した物語。
主人公は15歳のララ。彼女の夢はバレリーナになることだが、それは簡単なことではない。なぜなら彼女は、男の体に生まれてきたから。それでも強い意志と才能、娘の夢を全力で応援してくれる父に支えられ、難関のバレエ学校への入学を認められる。夢の実現のためララは毎日厳しいレッスンを受け、血のにじむような努力を重ねていくが、初めての舞台公演が迫る中、思春期の身体の変化による思い通りに動けなくなることへの焦りや、ライバルから向けられる心ない嫉妬により、彼女の心と体は次第に追い詰められていく。
主演のビクトール・ポルスターは、アントワープ・ロイヤル・バレエ・スクールに通う現役のトップダンサーで、「性別を超越した美しさ」と絶賛され、500人を超える候補者の中から選ばれた逸材。初の映画出演で、彼自身はシスジェンダーでありながらララの繊細な表情や思春期の心の機微を見事に表現し、バレエシーンでは圧倒的なパフォーマンスも見せている。その息をのむほどに美しいバレエシーンの振り付けは、コンテンポラリーダンス界の旗手で、日本でも森山未來とタッグを組んだ公演で知られる天才振付師シディ・ラルビ・シェルカウイが担当している。
それでも踊り続けるララに「あなた自分を追い込みすぎだわ」とアドバイスするバレエ教室の先生。「休みが必要だ」という父。最後は「バレリーナになる。この夢は何があっても諦めない」というナレーションとともに幕を閉じる、夢に向かって踊り続けるララの姿が胸打つ映像となっている。
『Girl/ガール』は7月5日より新宿武蔵野館ほかにて全国公開となる。
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