(中編「ジワジワと支持広げ『相棒』や『トリック』に並んだ『おっさんずラブ』」より続く)
【BL系作品のメジャー化】後編
ついにベッドシーンもガッツリあるBLが
ジャニーズ系で映画化!
さてさて、BL系作品のメジャー化を大きく決定づけたのは、前述した「窮鼠はチーズの夢を見る」の映画化だ。その続編の「俎上の鯉は二度跳ねる」も含めて『窮鼠はチーズの夢を見る』というタイトルでの実写映画化となる(ここ重要)。
それが、なななんと!関ジャニ∞の大倉忠義とイケメン俳優の成田凌というビッグネームの共演で‼ このニュースによって腐女子界がざわざわどころか蜂の巣をつついたように騒然となった。原作は、テレビドラマシリーズ化もされた「失恋ショコラティエ」などで知られる水城せとなによる人気コミックで、連載はBL誌ではないものの男性同士のラブストーリーを描いている。
これはエロ表現だけでなく、男の葛藤や覚悟も表されているから省略したりぼやかすと、テーマである男同士の本気の恋愛が描くことはできないハズだ。そんな綺麗ごとじゃない本気のBL系作品を、あのジャニーズをキャスティングして実写化するとは‼ 時代はここまで来たのか、と驚愕してしまう。いったいどこまで描くのか、気骨ある行定勲監督がメガホンを取るからにはワンチャンあるかもしれない。2020年の公開が今から待ち遠しくてたまらない。
ついでにかねてからアニメ化が発表されていた「テンカウント」も、こちらも驚くべきテレビアニメ化が決定となり、2020年に放送されることが発表された。
どんどんと一般に浸透していき、メジャー化していくBL系作品。この流れがBL界を活性化させて、良いスパイラルが生まれていけば願ってもないことだ。ただ、日の目を見れば自由が奪われる場合もある。そのような事態にだけはどうかならないでほしい。(文:矢野絢子/ライター)
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