ヴェンダース、ジャームッシュも惚れ込む幻の傑作が日本公開決定
2022年に発表されたSight&Sound「史上最高の映画」の7位にもランクインし、再評価の機運が高まるフランスの映画作家クレール・ドゥニが99年に発表した幻の傑作『美しき仕事 4Kレストア版』が公開されることが決定した。本作よりポスターヴィジュアルを紹介する。
・ゲイであるために母に捨てられ、16歳でホームレスになった青年が生きるために選んだ道とは!?
フランス映画界が誇る生きる伝説ドニ・ラヴァンを主演に迎え、目が眩むほどに青いアフリカの海岸を背景に、外人部隊とそれを率いる指揮官の訓練の日々を描く本作。日本では劇場未公開のため長らく映画ファンが待ち望んでいた幻の名作が、ついに4Kリマスター版にて公開される。現在インターネットミームとしても目にする、ラヴァンのエネルギッシュな身体性が印象的なラストシーンも必見だ。
仏・マルセイユの自宅で回想録を執筆しているガルー。かつて外国人部隊所属の上級曹長だった彼は、アフリカのジブチに駐留していた。暑く乾いた土地で過ごすなか、いつしかガルーは上官であるフォレスティエに憧れともつかぬ思いを抱いていく。
そこへ新兵のサンタンが部隊へやってくる。サンタンはその社交的な性格でたちまち人気者となり、ガルーは彼に対して嫉妬と羨望の入り混じった感情を募らせ、やがて彼を破滅させたいと願うように…。
『ムーンライト』(16年)のバリー・ジェンキンス、『aftersun/アフターサン』(22年)のシャーロット・ウェルズが影響を受けたと公言し、ヴィム・ヴェンダース、ジム・ジャームッシュなどが愛してやまないクレール・ドゥニ監督。グレタ・ガーウィグも「美しくてエモーショナル。現実離れしていながら、深く胸を打たれる」と絶賛し、2019年度BBCによる「女性監督映画ベスト100」第4位、2023年度版TIME誌「過去100年の映画ベスト100」でも選出され、“いま誰もが口を揃えて語る”名作が、満を持して日本劇場公開を果たす。
今回紹介するポスターヴジュアルは、劇中でも印象的な青を用いて物語のキーパーソンとなるサンタンのシルエットが大きく映し出されている。しかし、彼の顔には深い靄がかかる。それはドニ・ラヴァン演じるガルーの朧げな記憶のせいか、何か後ろめたい気持ちの表れだろうか。目を惹く青さと謎めいた印象が残るポスターとなった。
公開に先駆け、「横浜フランス映画祭 2024」最終日3月24日を飾るジャパンプレミアの夜に、本作がBukamuraル・シネマ 渋谷宮下にて先行上映される。一度見たら忘れもしない目を見張るラスト、そして、大胆に広がる青々しい空を、新たに蘇った画面でぜひ思う存分、堪能してほしい。
『美しき仕事 4Kレストア版』は5月31日より全国順次公開。
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