吉沢亮が主演務める『国宝』に横浜流星の出演が決定
吉沢亮を主演に迎え、李相日監督が吉田修一の傑作小説を映画化する『国宝』に、横浜流星の出演が決定した。主人公・喜久雄の親友であり、ライバルとなる梨園の御曹司・大垣俊介を演じる。
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原作は、2017年から朝日新聞にて連載された同名長編小説「国宝」。歌舞伎界を舞台にした本作は、連載時から大きな話題となり、日本文学の伝統に脈々と流れる芸道小説の金字塔にして、吉田修一の最高傑作と言われている。任侠の一門に生まれながらも、歌舞伎の世界に飛び込み、芸の道に青春を捧げ、芝居だけに生きてきた主人公・喜久雄が、その命を賭けてなお、見果てぬ夢を追い求めていく壮大な物語だ。歌舞伎の世界を描いていることから、映像化不可能と言われていたが、先日吉沢亮主演で映画化発表され大きな反響を呼んだ。
そして、この度、主人公の親友でライバルとなる、歌舞伎界の御曹司・大垣俊介役に横浜流星が決定した。来年のNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』で主人公・蔦屋重三郎を演じる横浜は、『新聞記者』(22年)『アキラとあきら』(22年)『線は、僕を描く』(22年)などの話題作に出演し、『流浪の月』(22年)では第47回報知映画賞助演男優賞を受賞。昨年2023年、『ヴィレッジ』『春に散る』での演技が高く評価され、第48回報知映画賞主演男優賞を受賞し、2年連続の快挙を成し遂げた。『春に散る』のボクサー役を演じるにあたっては、プロテストに挑戦して見事合格した。
真摯に役と向き合い、常に意欲作に全身全霊で挑む横浜が挑むのは、名門の跡取り息子として、幼い頃から芸の世界に生き、歌舞伎役者になることを運命づけられた俊介。任侠の一門に生まれた主人公・喜久雄と、喜久雄が引き取られた家の跡取り息子である俊介が、親友となり共に芸を磨いてスターダムを駆け上がる。名門の血を引く俊介と、芸でのしあがる喜久雄、そのライバル関係もまた、この映画の大きなみどころとなる。NHK大河の主演をつとめた吉沢と、これからつとめる横浜。ともに、国民的俳優となる2人が本作で共演する。
横浜もまた、吉沢同様これまで踊りの経験がなかったため、昨年3月よりまず、まっすぐ歩くことから稽古を始めたが、元極真空手世界チャンピオンの体幹の強さもあり、めきめきと踊りの腕をあげた。先に稽古を始めていた吉沢に追いつけ追いこせと、他の仕事の合間を縫って休むことなく日々稽古に励み、自宅での自主練習も欠かさず、歌舞伎の家に生まれた役者に見えるようにと、全身全霊を捧げてこの役に挑んでいる。
初めて吉沢と2人で踊った昨年12月、スタッフ全員が驚くほど息のあった舞踊を見せた横浜だが、撮影中のいまも空き時間を見つけては稽古に励んでいる。横浜自身も「目指す頂きは途方もなく高いですが、険しい方が自分は燃えますし、喜久雄を生きる吉沢くんと共に刺激し合い、見えない頂上を目指して一歩一歩着実に歩み、必ず辿り着いて、見たことのない景色をこの目に焼き付けたいと思います」と熱いコメントを寄せており、今からその完成が待ち遠しい。
今回、メガホンをとるのは、『フラガール』(06年)で日本中を感動の涙で包み、日本アカデミー賞最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀脚本賞を受賞した李相日監督。初めて吉田修一作品に挑んだ『悪人』(10年)は、第34回日本アカデミー賞13部門15賞受賞、最優秀賞主要5部門を受賞し、第35回報知映画賞作品賞、第84回キネマ旬報日本映画ベストテン第1位、第65回毎日映画コンクール日本映画大賞など国内のあらゆる映画賞を総なめにし、第34回モントリオール世界映画祭ワールド・コンペティション部門で最優秀女優賞を受賞するなど、海外でも高い評価を得る名作となった。2022年、李が監督した『流浪の月』に出演した横浜は、「俳優人生の転機となった」と語っている。そして、今回本作で再びタッグを組む。
■横浜流星
李組に再び参加できることを光栄に思います。歌舞伎の世界を生き、沢山のことを吸収して芝居を磨けたらと思っていますし、最大の敬意を持って歌舞伎役者、大垣俊介を人間臭く生きます。
目指す頂きは途方もなく高いですが、険しい方が自分は燃えますし、喜久雄を生きる吉沢くんと共に刺激し合い、見えない頂上を目指して一歩一歩着実に歩み、必ず辿り着いて、見たことの無い景色をこの目に焼き付けたいと思います。歌舞伎の魅力を一人でも多くの方々に届けられるよう、キャストスタッフ一丸となって全力で務めますので、ご期待下さい。
■李相日(監督)
ひとたび役が宿ると、あの長いまつ毛の下の瞳に情念が見え隠れする。『流浪の月』では嫉妬の炎がその瞳を歪ませたが、梨園の御曹司という過酷な宿命、流転の人生を背負った瞳の奥には何が立ち顕れるのか。難役であるほどに研ぎ澄まされていく横浜流星に期待しかありません。
『国宝』は2025年公開。
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