7月26日から全米で公開されたクエンティン・タランティーノ監督新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が好スタートを切った。初日3日間で興収4100万ドルをあげ、タランティーノ作品としては最大のオープニング成績となっている。
タランティーノは監督1作目『レザボア・ドッグス』で脚光を浴び、31歳の時に2作目『パルプ・フィクション』でカンヌ映画祭パルムドール最高賞を受賞。アカデミー賞では作品賞、監督賞など7部門でノミネートされ、脚本賞を受賞。一躍ハリウッドの寵児となった。その後、次々と話題作を世に送るものの、実は『グラインドハウス』までは興行成績の面では芳しくなく興収1億ドルに届かない作品が大半だった。安定してヒット作を生み出すようになったのは『イングロリアス・バスターズ』から。『イングロリアス〜』は『パルプ〜』以来となる興収1億ドルを突破。続く『ジャンゴ』も1億ドルを超えた。『ワンス〜』も8月11日時点で1億ドルを超えた。
『レザボア・ドッグス』(92年)280万ドル
『パルプ・フィクション』(94年)1億800万ドル
『フォー・ルームス』(95年)430万ドル
『ジャッキー・ブラウン』(97年)4000万ドル
『キル・ビル』(03年)7000万ドル
『キル・ビル Vol.2』(04年)6600万ドル
『グラインドハウス』(07年)2500万ドル
『イングロリアス・バスターズ』(09年)1億2100万ドル
『ジャンゴ 繋がれざる者』(12年)1億6300万ドル
『ヘイトフル・エイト』(15年)5400万ドル
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(19年)1億ドル(8月11日時点)
舞台は1969年のハリウッド。チャールズ・マンソン率いる狂信的なカルト集団が女優シャロン・テートを殺害した事件を軸に、当時のヒッピー・ファッションやカルチャーを交え、ハリウッドの古き良き時代への郷愁感たっぷりに描く。
次作はスター・トレックの予定。シリーズ史上初のR指定になる模様だ。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は8月30日より公開される。(文:相良智弘/フリーライター)
相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。
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