『おっさんずラブ』はこうでなくちゃ!と思わせてくれる大満足の劇場版
【週末シネマ】『おっさんずラブ』前編
社会現象になって大きな盛り上がりを見せた『おっさんずラブ』
コレだよ、コレ! コレが見たかったー‼ そう思わせてくれたのは、あの大人気ドラマシリーズを映画化した『劇場版おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜』だ。
2016年末に放送された単発ドラマに端を発し、2018年春クールに深夜帯の連続ドラマとして放送された同シリーズ。単なるドラマシリーズとしてだけでなく、社会現象と言えるほど大きな盛り上がりを見せた。
第6話、第7話(最終話)の放送時にはTwitterの世界トレンド第1位を獲得し、第35回ユーキャン新語・流行語大賞のトップ10入りを果たしたことも記憶に新しい。放送終了後の翌週の放送時間に架空の実況ツイートがされ、“おっさんずロス”現象まで起こったほどだ。
『おっさんずラブ』の第1話目の視聴率は2.9%。深夜ドラマとはいえ、かなり寂しい数字だ。あれだけ世間を席巻したのに、最初から鳴り物入りで華々しくスタートしたわけではないのだ。
その後もドーンと視聴率が伸びることはなかったようだが、それでも口コミやSNSで話題が広まり、じわじわとファンを増やしていった。それも熱量が多い濃いファンだ。その証拠に、手間暇と労力、お金がかかる2次創作の同人誌までいくつも刊行された。
それだけ熱くて濃いファンが付いたからこそ、『おっさんずラブ』ブームはここまで盛り上がったのだろう。その熱量が実を結んで今回の映画化が実現したのだ。
人気ドラマが映画化というのはよくあるパターンだと思われるだろうが、テレビ朝日の近年のドラマシリーズで映画化されたのはプロデューサーいわく『相棒』と『トリック』ぐらいだとか。初回視聴率2.9%だったドラマシリーズがこんな大物と肩を並べるとは、当初は誰も予想できなかったことだろう。
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