シリーズ3作目となる映画『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』が、開催中の第32回東京国際映画祭で10月30日にジャパンプレミア上映され、製作・監督・脚本をつとめたディーン・デュボア監督が登壇。尊敬する宮崎駿監督から影響を受けたと明かした。
本作は『ボス・ベイビー』のドリームワークスが、人間とドラゴンの新たな冒険を史上空前のスケールで描いたアニメーション映画。世界54ヵ国でNO.1ヒットを記録し、来年2月に行われる予定の第92回アカデミー賞長編アニメーション映画部門にもエントリーされている話題作だ。
シリーズ1作目『ヒックとドラゴン』(10年)と2作目『ヒックとドラゴン2』(14年)でも監督・脚本を担当したデュボア監督は「日本のアニメはいつも我々にインスピレーションを与えてくれる。そして日本人は子ども向けのアニメであっても大切に思ってくれるところが好きです」と挨拶。
本シリーズが愛される理由については「ドラゴンというクリーチャーは、世界中の色々な文化に存在しており、ゆえに親和性の高いものです。そんなドラゴンと人間が仲良くなり、背中に乗って空を飛ぶという願望を叶えてくれる物語だから人気になったのかもしれません。そして、ドラゴンがこの世に実際に存在するのではないか? と思わせてくれるリアルなストーリーも世界中の人々に愛される理由なのではないでしょうか」と考察した。
また、ヒックの相棒として活躍するドラゴン「ナイト・フューリー」のデザインについて質問されると「ドラゴンを造形する場合は、地球上に実在している野生動物を参考にデザインしています。ナイト・フューリーの場合は、世界で最強のドラゴンであり、バイキングに恐れられているイメージを与えたかったので、ブラックパンサーのエレガントさや哺乳類的な部分を参考にし、さらに、犬や猫のような親しみやすさや、抱きしめたくなるような魅力が出るように大型のネコ科の動物たちの動きと資質を加えてデザインを考えていきました」と回答。
本作のエンディングについて問われると、「シリーズ2作目まではヒックと仲間たちは、ドラゴンとの共生という道を示しました。本作では人間が抱える問題にも触れられると思い、感情的により複雑なラストを提示しました。また主人公のヒックは、自分にはまったく価値がないというところから始まり、最後には聡明で他人のために何かをするという成長を見せます」とコメント。「自然は守らなければいけないのに、人間たちは自然を傷つけるということを繰り返しています。そのような描き方には宮崎駿監督の作品から大きなインスピレーションを受けています」と日本が誇るアニメ界の巨匠の影響を受けていることを明かしていた。
『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』は12月20日より全国公開となる。
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