俳優・斎藤工が「齊藤工」名義で監督として参加している『フォークロア』。この作品の特別上映とQ&Aが10月30日に開催中の第32回東京国際映画祭で行われ、齊藤が自身の作品に出演した北村一輝との20年前のエピソードを振り返った。
本作は、インドネシア・日本・韓国・マレーシア・シンガポール・タイの6ヵ国を舞台に描かれた6エピソードからなるホラー・アンソロジー。齊藤が監督したのは、その中の1作『TATAMI』で、北村が主演をつとめている。Q&Aには『母の愛』を監督した「インドネシアのホラー王」ことジョコ・アンワルも登壇した。
日本を代表して初のホラー作品に挑んだ齊藤は「自分が初めて映画の現場に関わらせて頂いたのは20年前、北村さんの撮影の現場見学でした。それが今回主演として北村さんとご一緒できたのは大変誇らしいです。もちろんジョコ監督とご一緒できたのも大変うれしく思っております」と北村との知られざる接点を明かし、北村も「齊藤監督と初めてお会いした20年前当時、『映画を撮りたいです』とおっしゃっていまして、『その時はぜひ俺を使ってくれ』と言ったのを覚えています。それが本当に叶ったことがとてもうれしかったです」と感慨深げな表情を見せる。
「作品の着想を得る題材となるものはあったか」という観客の質問に、齊藤は「今回のプロジェクトのテーマがスポーツのアジア予選のようだと感じ、まず日本特有の“伝承”ということで“畳”を思い浮かべました。実は外国語には畳にあたる単語がなく、そのまま“TATAMI”と表現されるのです。さらに日本特有の“藁(わら)人形”も畳と同じイグサと藁でできているそうなので、“タタミ一畳分の恨みを込める”という思いで“畳”という言葉から着想を得ました」と明かした。
北村は齊藤監督を「現場では怖かったですよ(笑)」と冗談を交えつつ、「俳優もやられていますので、演者の気持ちがすごくわかっている。準備に時間をかけるのもそうですが、同じくらいキャストとのディスカッションの時間をたくさんとり、そのおかげでホラーではあったものの、現場は爽やかな風が吹いたように温かくフレンドリーな雰囲気でした」と語った。フォトセッションには『TATAMI』で義父役をつとめた黒田大輔も登場し、北村の言う通り、ホラーらしからぬ温かな雰囲気のままイベントは終了した。
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