除雪車に轢かれたジェレミー・レナー、事故から得た学びとは?
2023年1月に除雪車に轢かれて瀕死の重傷を負ったジェレミー・レナーがアメリカのTVトーク番組「The Tonight Show Starring Jimmy Fallon」にゲスト出演し、事故当時の様子やその後の経験について語った。
・ジェレミー・レナー、“30か所以上骨折”の事故は甥を守ろうとして起きたことが明らかに
2023年元日にネヴァダ州の自宅近くで、巨大な除雪車が甥に向かって動き出したのを停めるために車両に飛び乗ろうとして下敷きになり、全身38箇所を骨折したというレナー。司会のジミー・ファロンに「どれくらい金属が入っているんですか?」と聞かれると、左の足首あたりを叩きながら「ここは金属」と答え、さらに「顔半分は金属」「背中の右側全部も金属」と続けた。
「肋骨は?」という問いには「そう、肋骨も14本折れました」と大したことなさそうな口調で軽く笑いながら話すレナーはさらに、「自分の目をもう一方の目で見た……つまり眼球が飛び出していたから」と続けた。
さらっと話すレナーだが、ファロンは思わず真顔になって手を差し伸べてレナーの腕をさすった。
レナーはそのまま、当時の自身について「そうすると変なことが頭をよぎるんだ」と話し続ける。「『これは現実みたいだけど、心配するのは後回しだ』と。脚を見たら、すっかり捻じ曲がっている。これも心配するのは後にしようと思った。まず最初に呼吸の心配をしなければならないから」
ファロンが「パニックにならなかった?」と尋ねると、レナーは「いや。(パニックには)なれない。そうしたら死ぬから」と答えた。そして、そんな瀕死の状態で学びを得たという。
「氷の上にいた45分間に何が起きたのか、ずっと話し続けられるけれど、そこから得られる本当の学びは、自分の限界を試されるという素晴らしいギフトがたくさんあるということ。肉体的な限界、精神的な限界、感情的な限界。この先、これ以上悪いことは一生起こらないだろうと思えた。それはギフト。最高なことだ」と語るレナーは、パニックにならない方法、集中する方法も会得したと続けた。
「歩くためには片足を下ろし、もう一方の足をその前に出す。そうすると歩ける。呼吸と同じなんだ。思い切り息を吐き出すから吸い込むことができる。自分の肺が破裂していたとか、わからなかった。とにかく呼吸をしなければならなかった。呼吸しなければ死んでしまうから。眼球のことも金属プレートも、折れてしまった骨も、どうでもいい。一歩ずつ進むことが、人生で見据えるべきものだと実感できた。ストレスが強すぎたり、物事が難しすぎたりする時でも、とにかく片足を前に出し、もう一方も前に出す。それで前進できる」
「物事を単純化しすぎているかもしれないけれど、でも、人生はそれくらいシンプルなんだ思う」と続ける。「シンプルなものにできれば、なんだって出来ると思う。僕の治療は一方通行だと思った。僕がしなければならないことは“回復”。ただそれだけ。それが僕の仕事だった」
事故の一報が伝えられた直後から、傷や内出血の跡がまだ痛々しい姿ながら一命をとりとめたことをSNSに投稿し、ファンや関係者を安心させたレナー。「カレンダーは全部フリーになった。病院で目覚めた時は『待て。めちゃくちゃ痛いけど、今年はもう仕事に行かなくていいだろう』と思った。
2023年は治療やリハビリに専念したレナーは、その様子もSNSにアップして回復の過程を伝えてきた。そして事故から1年経った2024年1月から主演ドラマ『メイヤー・オブ・キングスタン』新シーズンの撮影に参加し、本格的な復帰を果たした。
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