(…「【ついついママ目線】『映像研には手を出すな!』1/『映像研』ヒロインが世間をざわつかせる理由とは?」より続く)
【ついついママ目線】『映像研には手を出すな!』2/3
NHKで放送中のアニメ『映像研には手を出すな!』に登場するヒロインたちは、これまでのアニメの記号的な“女の子像”からはみ出したキャラクターだ。浅草みどりの声を演じているのは、女優としても活躍する、ベビーフェイスに低音でハスキーな声が特徴的で魅力の伊藤沙莉だ。キャラクターデザインも大童澄瞳の原作通り、萌えキャラではなくあっさりとしたキャラクターである。
監督は『四畳半神話大系』の湯浅政明。彼は、ジェンダーの扱いにおいて信用おけると思っている。もちろんどのキャラクターも女の子らしくないというわけじゃない。『夜明け告げるルーのうた』や『きみと、波にのれたら』などでは、胸が大きい女の子やミニスカートや水着も登場する。けど、それに伴う違和感や不快感がないのだ。
日本の大きな文化であり、多くの人が子ども時代から馴れ親しむアニメにおいて、そこで描かれるジェンダーに違和感や不快感を感じることが多い。まあ、それは今に始まったことじゃなく、私が言わなくてもフェミニストたちが声を大にして叫んできたことではある。
例えば、記録的な大ヒットを放って社会現象を巻き起こした新海誠監督の『君の名は。』で出て来る“口噛み酒”。ヒロインの三葉が巫女として材料を口で噛んだ物を発酵させて作る、アレ。気持ち悪くてどん引きする。主人公の瀧はそれ飲んじゃうし。
それを真っ向から萌えるものとして描いて瀧がハアハアしているのなら別にいい。思春期の男の子はそういう一面もあるよねぇで済ませてあげられる。
しかしながら純愛ラブストーリーでヒロインをそういった性的な目で見ていないようなスタンスを取りながら、実は女性を性的に消費しているところが不快なのだ。
これも大ヒット作である細田守監督の『おおかみこどもの雨と雪』では、ベッドシーンでのおおかみおとこの獣っぽさがショッキングだと当時話題にもなったが、それもさることながら、何故彼らは避妊をしないのだろう?ということが気になって仕方なかった。(3へ続く…)
・【ついついママ目線】『映像研には手を出すな!』3/“男性にとって都合の良い女性像”をくつがえす『映像研』ヒロインたち
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