外出するより家で過ごしたい。特に週末は自宅で過ごす時間が長くなりそうなこの頃、気になってはいたけど、つい見逃していたドラマをチェックしてみるのはいかがだろう? 配信サービスの作品なら、1日1話ずつでもイッキ見でも、好きなペースで楽しめるのがいいところ。今回はNetflixで配信中のオリジナル・シリーズで、10代の若者が主役のドラマをピックアップする。
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社会現象にもなった、80年代舞台のSFドラマ
『ストレンジャー・シングス 未知の世界』
3シーズン25話(2016〜)
80年代アメリカの小さな町を舞台にした、十代の少年少女が主役のSFドラマ。2016年に第1シーズンが配信されるや、社会現象になった。
アメリカ中西部の架空の町・ホーキンスで12歳の少年ウィルが失踪したのを発端に、少年の家族や友人たち、町の人々が不可解な事件に巻き込まれる。ウィルの仲間たちは町外れにある研究施設から脱走してきた超能力を持つ少女エルと出会い、彼女を匿う。少年たちはエルの力を借りて、“裏側の世界”に囚われたウィルを救い出そうとする。
当時の映画やヒット曲など、80年代半ばのポップ・カルチャーが取り込む演出は、若い世代には新鮮に映るだろうし、ウィルの母を演じるウィノナ・ライダーと同世代の大人たちのノスタルジーを誘うこと間違いなし。
シーズン1の時点でメインキャストは無名の子役ばかりだったが、エルを演じるミリー・ボビー・ブラウンをはじめ、フィン・ウォルフハルト、ノア・シュナップらはティーンを中心に人気を博し、ミリーは16歳ながらファッション・アイコンとして、また同世代のロールモデルとして注目されている。
シリーズを追うごとにどんどん大人びていく彼らの成長物語としても楽しめる。
2019年にシーズン3が配信され、イーサン・ホークとユマ・サーマンの娘のマヤ・ホークが新たにキャストに加わった。
シーズン4の製作も決まり、2月に製作が始まったが、残念ながら新型コロナウイルス 感染拡大のため製作は一時ストップしており、配信スケジュールは現時点では未定だ。
性の悩みがリアルで共感! 多様性もテーマの青春ドラマ
『セックス・エデュケーション』
2シーズン16話(2019〜)
マーティン・スコセッシ監督の『ヒューゴの不思議な発明』(11)に主演したエイサ・バターフィールドが、性に奥手ながらセックス・セラピストの母ゆずりの知識を駆使して、学校で「セックス・クリニック」を始める高校生オーティスを演じる。性にオープンな母親で著名なセックス・セラピスト、ジーン・ミルバーンを演じるのは『X-ファイル』などのジリアン・アンダーソン。
オーティスの同級生たちが抱える悩みはいちいちリアルで、誰もがどれか1つは共感するはず。ちょっと刺激的な場面も登場するが、セックスはあくまでも物語の切り口。様々な性の悩み相談に応じることで、オーティスが自身の恋愛観や友情、母との関係に向き合う青春ドラマだ。
現代のイギリスの中等教育学校(日本の中高一貫教育にあたる)が舞台だが、実際よりもアメリカのハイスクール寄りのイメージで描かれている。本作の脚本を務めたローリー・ナンは80年代に『ブレックファスト・クラブ』などで一斉を風靡したアメリカの青春映画の名匠、ジョン・ヒューズの作品へのオマージュだと語っている。
かといって懐古趣味に走らず、主人公の親友がゲイであったり、優等生の両親がレズビアンのカップルであったり、と性の多様性を登場人物たちの日常に置き、赤裸々な思春期の悩みのエピソードと合わせて性のタブーに切り込んでいくのは21世紀の今を感じさせる作風だ。
大人顔負けのドロドロ感! セレブ高校生のブラックコメディ
『ザ・ポリティシャン』
1シーズン8話
『Glee/グリー』のライアン・マーフィーが手がけた『ザ・ポリティシャン』は、幼い頃から自身の将来をアメリカ大統領になると決め、そのステップとして生徒会長選挙に立候補する高校生男子が主人公。
カリフォルニア州の高級住宅地サンタバーバラの裕福な家庭に育ったペイトンは、夢の実現の第一歩である名門ハーバード大学入学を目指して、生徒会長選挙に出馬する。“夢は大統領夫人”というガールフレンドや策士の友人たちがサポートする選挙運動は、大人の政治家顔負けの駆け引きや陰謀が渦巻く凄まじさだ。
セレブ高校生たちの人間関係をカラフルに描くブラックコメディであり、回を追うごとにキャラクター1人1人の事情が明かされ、複雑に絡み合う物語がサスペンスを誘う。
野心家でありながら、屈折した内面を抱えるペイトンを演じるベン・プラットはブロードウェイのミュージカルなどで活躍し、映画『ピッチ・パーフェクト』『ピッチ・パーフェクト2』に出演している実力派。今回も劇中で歌声を披露する。ペイトンの母親をグウィネス・パルトロウが演じている。パルトロウは『Glee/グリー』の大ファンでゲスト出演したこともあり、同作や本作でライアン・マーフィーとコンビを組む脚本家・プロデューサーのブラッド・ファルチャックは彼女の夫だ。
長年がんを患って治療中の少女も登場するが、これは母親によって重病患者に仕立て上げられた後、恋人と母親を殺害した女性の実話をもとにしたキャラクターだ。
挫折あり、思わぬどんでん返しもあり、LGBTQや毒親など、様々なテーマを貪欲に取り込み、多様な社会の実態をエンターテインメントとして提示する。
今年、シーズン2配信も予定されている。
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