新型コロナウイルス(以下、コロナ)の感染者数は増加の一途をたどり、4月4日には、都内の感染者数が初めて1日100人を超え、118人の新たな感染者が確認された。土日を中心に、不要不急の外出を自粛する動きがますます強まる中、東京の光景にどのような変化が生じているのか、取材して回った。
4月3日からは、欧米を含む世界73の国・地域からの入国者に、規定の場所で2週間の待機を求めることを政府が決定。そうした影響もあってか、銀座や原宿、浅草は、外国人観光客が目に見えて少なく、アジア系の観光ツアーグループは一度も見られなかった。銀座はアップルストアや高級ブランド店、百貨店が軒並み営業を休止し、和光前はいつもの賑わいを失ってやや閑散としていた。
新宿や日比谷、渋谷などサラリーマンが行き交う街は、土日休みということでスーツ姿の人が少なかった。また、ネット上でも不要不急の外出自粛を求める声が盛んになったこともあってか、若者が大勢集まって遊んでいる風景も、日中はあまり見られなかった。
浅草のかつら・かんざし専門店「コマチヘア」の岩崎社長は、お客さんが「8〜9割は減っている。外国人(観光客)はもちろん、日本人も怖がって来ない」とコメント。必要に迫られて来店する常連客などは「『決死の覚悟で来た』と言う。命がけの覚悟で買いに来ます」と現状を語った。
上野恩賜公園で話を聞いた60代のパートの女性は、コロナの影響で掛け持ちしていた仕事を失い、「家賃を払うのも苦しい」と胸の内を明かしてくれた。
コロナ感染を抑制しなければならない一方、商売の売上減少や失業で厳しい立場に追い込まれる人もいる。あらためて、そんな複雑な状況が浮き彫りになる取材だった。
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