映画を愛するすべての人にフランス版『ニュー・シネマ・パラダイス』に胸アツ

#アルノー・デプレシャン #フランス映画 #フランソワーズ・ルブラン #マチュー・アマルリック #ミロ・マシャド・グラネー #映画 #映画を愛する君へ 2024.12.05

その他の写真はこちら（11）

19世紀末に誕生してから現在に至るまでの映画の魅力と魔法を語り尽くす

アルノー・デプレシャン監督による映画への深い愛と映画館への賛美に満ち溢れたシネマ・エッセイ『映画を愛する君へ』より、予告編と新場面写真を紹介する。

・【動画】アルノー・デプレシャン監督にとっての『ニュー・シネマ・パラダイス』／映画『映画を愛する君へ』予告編

本作は、デプレシャン監督の過去作『そして僕は恋をする』（96年）や『あの頃エッフェル塔の下で』（15年）でマチュー・アマルリックが演じる主人公ポール・デュダリスに、監督自身を投影した自伝的映画。初めて映画館を訪れた幼少期、映画部で上映会を企画した学生時代、評論家から映画監督への転身を決意した成人期を、映画史とともに描く。

デプレシャン監督は、『キングス＆クイーン』（04年）や『クリスマス・ストーリー』（08年）などで、数々の映画賞にノミネートされ、日本の映画ファンからも人気高い名匠だ。本作も、第77回カンヌ国際映画祭で特別上映され、最優秀ドキュメンタリー賞にあたるゴールデン・アイ賞にノミネートされた。

アマルリックは本人役として出演する。さらに、祖母役をジャン・ユスターシュ監督の傑作『ママと娼婦』（73年）で知られるフランソワーズ・ルブランが、14歳のポール役を『落下の解剖学』（23年）の視覚障害のある息子役で注目を浴びたミロ・マシャド・グラネールが演じている。

本編には、映画史に功績を残した50本以上の名作が登場。リュミエール兄弟による映画の発明から、アベル・ガンスの『ナポレオン』（27年）、フランク・キャプラ『或る夜の出来事』（34年）、アルフレッド・ヒッチコック『北北西に進路を取れ』（59年）、黒澤明『乱』（85年）、クロード・ランズマン『SHOAHショア』（85年）、ジェームズ・キャメロン『ターミネーター2』（91年）、『ノッティングヒルの恋人』（99年）など、世界中の様々なジャンルの映画が洪水のようにスクリーンを駆け巡る。

そのほか、フランソワ・トリュフォー、ジャン＝リュック・ゴダール、イングマール・ベルイマンらの映画も登場。デプレシャン監督が尊敬するアメリカの哲学者スタンリー・カヴェルやフランスの批評家アンドレ・バザンの言葉も借りながら、“映画とは何か”に迫る。

『映画を愛する君へ』

本作はドラマとドキュメンタリーを融合したハイブリッドな構成となっており、フィクションのシーンには、一般の観客が映画体験エピソードを語るインタビューシーンが挟まれる。「本作の主題は“私たち”映画の観客」と監督が語るように、観客の視点で映画愛が描かれるのだ。シネ・ヌーヴォ（大阪）やアンスティチュ・フランセ（東京）など、日本の映画館の登場も見逃せない。映画は私たちの人生にどれほどの影響をもたらすのか——。デプレシャン監督が贈る映画と映画館へのラブレターを、ぜひ映画館で受け取って欲しい。

今回紹介する予告編は、デプレシャン監督の分身でもある主人公ポール・デュダリスの映画人生が壮大に映し出される。祖母に連れられて初めて映画館に訪れ、映画館の魔法にかかった幼少期から始まり、映画の魅力にどっぷりとのめり込み映画部に所属する少年時代、そして映画から恋愛を学ぶ学生時代まで、映画と共に成長する姿は監督にとっての『ニュー・シネマ・パラダイス』（88年）とも言える。映画との思い出を語る観客のインタビューシーンには、映画好きなら胸が高鳴ること間違いなし。あなたの“人生の映画”は何ですか？映画と生きる素晴らしさを“私たち”すべての映画ファンに語りかける。

『映画を愛する君へ』は2025年1月31日より全国順次公開。

#アルノー・デプレシャン #フランス映画 #フランソワーズ・ルブラン #マチュー・アマルリック #ミロ・マシャド・グラネー #映画 #映画を愛する君へ