「花まんま」とは“花のお弁当”、大切なひとへ贈り届けるキーアイテム
鈴木亮平と有村架純が兄妹役で初共演する前田哲監督最新作『花まんま』より、兄・俊樹(鈴木)と妹・フミ子(有村)の“幸福”と“秘密”を描く特報映像を紹介する。
・鈴木亮平、有村架純と兄妹役に! 『花まんま』で“誰よりも妹を愛する兄”演じる思いを語る
2005年、第133回直木賞を受賞した短編集「花まんま」(文春文庫)は、記憶の濃淡を丁寧に語り分けながら、人間の哀しさや温かさを繊細に織り込む巧みな筆致で評価される作家・朱川湊人の代表作。ある兄妹の不思議な体験を描いたこの物語が、初版からおよそ20年を経た来春、東映配給の劇場映画として全国公開される。
早逝した両親と交わした「兄貴はどんな時も妹を守るんや」という約束を胸に、たった一人の妹の親代わりとして大阪下町で生きる熱血漢の兄・俊樹を演じるのは、日本のみならず、国際的にも評価されている鈴木亮平。まもなくの結婚を控えながら、実はある秘密を抱えている妹・フミ子を、今や“国民的俳優”とも評される有村架純が演じる。
監督は、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』(18年)『そして、バトンは渡された』(21年)など、人の心の揺れ動きに対する繊細かつ真摯な眼差しと豊かな表現力にも定評のある前田哲。原作の映像化企画を長年出版社へ提案し続け、ラブコールが実を結んだ。
今回紹介する特報映像は、「兄貴はホンマ、損な役回りやで」という俊樹の口癖からスタート。そんな俊樹におしぼりを投げ関西弁でツッコむフミ子の愛らしい姿や、俊樹と幼馴染の駒子(ファーストサマーウイカ)が笑い合ったり、フミ子の婚約者・太郎(鈴鹿央士)に優しい眼差しで見守られてウエディングドレスを選んだりといった多幸感あふれるシークエンスに合わせ、「俺の妹は、めちゃめちゃ気が強くて」「まっすぐで、ええ子」と俊樹視点のテロップが重なる。
ベランダから身を乗り出し、フミ子を見送る俊樹の姿も印象的だ。下町の温かさを感じさせる軽快なメロディーが仲睦まじい兄妹のやり取りを盛り立てる。しかし、俊樹がある写真を見つけると空気が一転。“知らない人たち”と満面の笑みのフミ子がまるで家族かのように思える写真が映し出されると、「妹には、秘密があった」という意味深長なテロップが…。
「お前は加藤フミ子や、“繁田喜代美”やない!」と諫める俊樹に対し、「私は私や!」と啖呵を切るフミ子。そして映像は「不思議な記憶を巡る、兄と妹の物語」の言葉で締めくくられる。妹が兄に隠していた“秘密”とは果たして何なのか、“繁田喜代美”とは一体誰なのか、物語への没入を助長する36秒の特報映像となっている。
また、ティザービジュアルは、「幸せになれよ」と妹の幸せを願う兄・俊樹の笑顔とは対照的に、「わたしには、秘密がある」と憂いつつも、どこか意志を持った妹・フミ子の表情が印象的なデザイン。兄妹の間には、満開のつつじ畑に佇む幼少期の俊樹とフミ子の姿。よく見ると、フミ子の手にはお弁当箱が——。
タイトルの「花まんま」とは子どものままごと遊びで作った“花のお弁当”を意味し、大切なひとへ贈り届けるキーアイテムだが、幼いフミ子は一体誰に“花まんま”を贈るのか? 印象的なビジュアルとなっている。
『花まんま』は2025年4月25日より全国公開。
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