中山美穂の代表作『Love Letter』がNetflix TOP10にランクイン

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『Love Letter』
Netflix TOP10(日本/映画)第5位『Love Letter』

「お元気ですかー」で知られる大ヒット作

【Netflix TOP10】Netflixがオリジナル作品やライセンス作品を対象に、視聴時間を基準に毎週の人気作品を選出する「Netflix TOP10」。12月9日~15日の「日本/映画」に、今月6日に亡くなった中山美穂さんの主演作『Love Letter』(1995年公開)がランクインした。「お元気ですかー」の台詞で知られる大ヒット作だ。

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中山美穂の美しい横顔から始まる

本作は岩井俊二監督の劇場用長編映画第1作目で、脚本も担当している。雪の小樽と神戸を舞台にしたラブストーリーで、中山美穂が一人二役を演じた。映画は雪の上に寝そべる中山美穂の横顔のアップから始まるが、この冒頭シーンが本当に美しい。

神戸に住む渡辺博子は、山の遭難事故で亡くなった婚約者の藤井樹を忘れられずにいる。三回忌の帰り道、樹の実家を訪れた博子は、樹の中学時代の卒業アルバムから彼がかつて住んでいた小樽の住所を見つけ出す。そこにはいない樹に宛てて、博子は一通の手紙を書いて送った。すると、驚くことに返事が届いたのだった。手紙をやりとりするうちに、博子はその小樽の住所には婚約者の同級生で同姓同名の女性「藤井樹」が住んでいることを知る。

博子と樹(女)の二役を中山が演じているので、二人は見た目がそっくりだ。このことが、ある登場人物から見ると、残酷な展開へとつながる。

博子は樹(女)に宛てた手紙のなかで、中学生時代の樹(男)のことを教えてほしいと書く。それに応じて樹(女)も同級生だった樹(男)のことを思い出すうちに、図書委員で一緒だった頃の記憶がよみがえってくる。

中学時代の二人を酒井美紀と柏原崇が好演

中学生時代の樹(女)を酒井美紀が、樹(男)を柏原崇が演じているが、この回想シーンが思春期特有のヒリヒリした感じやもどかしさが伝わってきて素晴らしい。現実パートよりも過去パートの方が生々しいので、いつのまにか博子よりも樹(女)の物語になっているところが巧い。また、松田聖子の「青い珊瑚礁」やマルセル・プルーストの本「失われた時を求めて」が効果的に使われているところも面白い。

岩井監督の映像美と中山美穂の美しさが生んだ名作

そして、「Love Letter」の意味するところが明らかになる。 ありえないような設定も気にならないほど詩的な映画で、岩井俊二監督の情感あふれる映像と中山美穂の無垢な美しさが見事に調和している。日本のみならず韓国でも大ヒットするなど世界中で長く愛されている珠玉のラブストーリーを、ぜひ配信で見て楽しんでほしい。(文:中山恵子/ライター)

【Netflix日本Top10(映画)/12月9日~12月15日】
1位『セキュリティ・チェック』
2位『窓ぎわのトットちゃん』
3位『マリア』
4位『DUNEデューン 砂の惑星 PART2』
5位『Love Letter』
6位『グリンチ』
7位『あの年のクリスマス』
8位『ミステリと言う勿れ』
9位『幸せの列車に乗せられた少年』
10位『あなたの番です 劇場版』