追悼/日本編 西田敏行、火野正平、中山美穂ら2024年に亡くなった映画人を偲ぶ

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死刑にいたる病
中山美穂
(C)2022 映画「死刑にいたる病」製作委員会

2024年は、現役として幅広い活躍を見せていた名優、俳優の突然の逝去が相次いだ。名作を世に送り出した映画人たちの偉業を紹介し、その功績を振り返る。

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『ちびまる子ちゃん』TARAKO、『ドラえもん』大山のぶ代も永遠の眠りに

山本陽子
2月20日/享年81

証券会社勤務から日活ニューフェイスに合格し、1960年代から俳優として活躍。映画『華麗なる一族』(74年)や『八つ墓村』(77年)、TVドラマ『白い影』(73年)、『黒革の手帖』(82年)、長年続いた山本海苔店のTV出演でも知られる。舞台でも活躍し、「放浪記」、「細雪」、などに出演し、1994年の「おはん」で菊田一夫演劇賞を受賞。現役として仕事を続け、近年では木村拓哉主演の映画『無限の住人』(17年)にも出演。4月に舞台公演を予定していたが、無くなる当日に外出先から帰宅後に体調を崩し、急性心不全で亡くなった。

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TARAKO
34日/享年63

フジテレビ系で放送中のアニメ『ちびまる子ちゃん』(90年〜)で番組スタート時から主人公「まる子」の声を担当。個性的な魅力ある声で、CMやナレーションも数多く手がけた。2023年から闘病しながら、仕事を続けていた。病名は非公表だが、SNSで生前最後となった2月の投稿では車椅子姿でスタジオ収録する様子を公表していた。2024年公開の劇場アニメ『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』にも声の出演をしている。

寺田農
3月14
日/享年81

主演映画『肉弾』(68年)など岡本喜八監督作品、また『天空の城ラピュタ』(86年)のムスカ大佐の声の出演でも知られる。1960年代から映画、ドラマで現代劇、時代劇を問わず幅広い作品に出演し、映画では相米慎二監督作品にも『セーラー服と機関銃』(81年)、『ションベン・ライダー』(83年)、主演を務めた『ラブホテル』(85年)、監督の遺作『風花』(01年)などに出演。2021年に金子修介監督の『信虎』で主演を務めるなど、晩年まで活躍したが、肺がんのために死去した。

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中尾彬
516日/81

映画やドラマ、TVバラエティで活躍。大学在学中に日活ニューフェイスに合格し、加賀まりこ主演の『月曜日のユカ』(64年)などに出演。1975年、映画『本陣殺人事件』で金田一耕助を演じ、1978年からはドラマ『暴れん坊将軍』で初代徳川宗春を演じた。映画では『極道の妻たち』シリーズや平成の『ゴジラ』シリーズ(93年04年)、北野武監督作にも『アウトレイジ ビヨンド』(12年)や『龍三と七人の子分たち』(15年)などに出演。近年は『翔んで埼玉』(19年)に出演していたが、2024年から体力が低下、5月に容体が急変し、心不全のために都内の自宅で死去した。

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大山のぶ代
929日/享年90

アニメ『ドラえもん』の声を26年間務め、映画やTVで幅広い層に親しまれた。俳優座養成所を経て俳優となり、個性的な声を買われて1960年代から声優としても活動を始め、1979年から2005年までTVアニメや劇場版『ドラえもん』の主人公ドラえもんの声として国民的人気を誇った。俳優としてもTVや映画に出演、さらに1970年代には脚本家として刑事ドラマ『太陽にほえろ!』の共同脚本を5本手がけている。

西田敏行
1017日/享年76

1988年から22本作られた映画『釣りバカ日誌』シリーズやTVドラマ『池中玄太80キロ』などで親しみやすいキャラクターで愛された名優。映画では『植村直己物語』(86年)、『ゲロッパ!』(03年)、北野武監督の『アウトレイジ』シリーズ(12年、17年)などに出演。『風の電話』(20年)では東日本大震災後も福島に住み続ける老人を演じた。

三谷幸喜監督の作品への出演も多く、映画は『THE 有頂天ホテル』(06年)、『ステキな金縛り』(11年)などに出演。三谷脚本の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(22年)にも出演している。TVドラマでは宮藤官九郎脚本作にも度々出演、近年は『俺の家の話』(21年)や今年放送された『終りに見た街』などに出演。2013年から始まったTVシリーズ『ドクターX〜外科医・大門未知子』シリーズにも出演、『劇場版ドクターX FINAL』が映画遺作となった。日本俳優連合の理事長として、新型コロナウイルス感染拡大で映像作品や舞台公演の制作中止が相次いだ際は、演者たちの窮状を政府に伝える声明を発表した。

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火野正平
1114日/享年75

子役から活躍し、数多くの映画やTVドラマに出演。近年は全国各地を自転車で回る旅番組「にっぽん縦断 こころ旅」(NHK BS)で日本国中を回った。1973年のNHK大河ドラマ『国盗り物語』で木下藤吉郎を演じて注目を集め、時代劇、現代劇を問わずに活躍。1970年代は私生活では多くの女性と浮き名を流し、メディアを賑わせた。近年の映画出演作は『ラストマイル』(24年)、『土を喰らう十二ヵ月』(22年)などに出演。20244月に持病の腰痛の悪化を理由に番組出演を休んで療養していた中、1114日に亡くなった。

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中山美穂
126日/享年54

1980年代に10代のアイドルとして絶大な人気を誇り、歌手・俳優として活躍。WANDSとデュエットの「世界中の誰よりきっと」など数多くのヒットを飛ばし、映画ではツッパリ高校生のマドンナを演じた『ビー・バップ・ハイスクール』(85年)シリーズ、『どっちにするの。』(89年)などを経て、岩井俊二監督の『Love Letter』(95年)、『東京日和』(97年)などに出演。2002年、結婚を機にフランス・パリに移住した後、『サヨナライツカ』(10年)で俳優業を再開。その後、拠点を日本に移して映画やドラマ、舞台でも活躍。歌手としてのライブ活動も再開していた。

126日は大阪でライブ公演の予定だったが、約束の時間に姿を見せず、関係者が自宅を訪れた際、亡くなっているのが発見された。

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