松坂桃李、俳優になった理由は「ワクワクしたからかも」『雪の花 ―ともに在りて―』イベントで小学生の質問に回答
松坂「感じ取ったものをそのまま持っていただければ僕はそれで大満足」
映画『雪の花 ―ともに在りて―』の親子特別試写イベントが文京区立誠之小学校の体育館で開催され、主演の松坂桃李、共演の芳根京子、そして小泉堯史監督が登壇。時代劇が初めての小学生を前に、作品への想いを語った。
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本編を鑑賞した同校に通う5年生から6年生の生徒とその両親併せて250人の前に登場した主演の松坂と共演の芳根。福井藩の町医者・笠原良策を演じた松坂は、大歓声が上がる中で「映画のお話、わかりましたか?」と呼び掛けて「ハーイ!」との子どもたちの元気な声を得ると、「良かった~!(時代劇なので理解してもらえるか)ドキドキして不安でしたが、こうして皆さんに時代劇というものを届ける事が出来て本当に嬉しいです」と喜びを嚙み締めている様子。
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一方、良策を支える妻・千穂役の芳根も「このような機会はなかなかないのでドキドキしていましたが、皆さんのお顔を見ることが出来て本当に嬉しく思います。この作品で時代劇デビューした子たちもいるのかなと思うと凄く嬉しいです!」と心の内を明かした。
また、松坂は本作を見た子どもたちの受け取り方について、「見た感想そのままを素直に受け取って欲しいです。それぞれの感想をお持ちだと思いますが、皆さんが感じ取ったものをそのまま持っていただければ僕はそれで大満足です」とそれぞれの感性のままに従ってほしいとコメント。
芳根は「皆さんが映画を見て感じたことに間違いはないと思います。お家に帰ったらお父さんやお母さんと感想を言い合っていただけたら嬉しいです」と家族との共通の話題になるよう願っていた。
参加した小学生からの質問に答える企画も実施された。「寒そうな雪の山中を行くシーンがありますが、この時代の人を演じる大変さはありましたか?」との質問に松坂は、「本当に凄く寒かったです。でも当時の人たちは強かったんだなと実感しました。雪をしのぐ藁を着こんでいるけれど、それでも足からジワッと寒さが染みこんでくる。そうすると足の先の感覚がなくなったりして大変でした」と苦労を明かし、「でも良かった~。その大変さが伝わって。こだわって撮ったシーンなので見てもらえて嬉しいです!」と当時を振り返り笑顔を見せた。
将来の夢はカウボーイという男の子からは、「笠原さんの様に立派な人になるには、どんなことを心がければよいですか?」という質問。松坂は「立派な人って、立派な人になろうと思って立派な人になったわけではないと思います。笠原さんも立派になりたくて医者になったわけではなくて、医者になって沢山の人を助けたいという気持ちや志が周りの人から見たら立派だったのだと思います」と述べ、「君も好きなことややりたいことに一生懸命になれば立派な人になれると思いますよ」とアドバイス。これに芳根も「優しさを忘れず、周りの人に感謝しながら伸び伸び成長してくださいね」とエールを送っていた。
さらに、「どうして俳優のお仕事を選んだのですか?」との問いに松坂は、「ワクワクしたからかもしれない。興味があるとか自分の好きな気持ちが凄く大事だと思う。それを頼りにしたらこの仕事に行きつきました。それが長く続けられるコツだと思います。周りの言葉に左右されず、自分の好きな気持ちを大事にすることで自分の本当にやりたいことが見つかるはずです」と実感を込めて返答。
芳根はスカウトされた自身の経験を引き合いに出して「きっかけは色々なところに転がっていると思います。今やりたいことがないと悩んでいたとしても、御縁や運命で自分のやりたいことに出会えると私は信じています」と語った。
また、今回演じた役柄と自身の共通点について松坂は、「僕は笠原さんのように聡明ではないけれど、諦めない信念の強さがある種の頑固さだとするならば、頑固さは似ているかもしれない」と自己分析。「僕は自分がこうしたいと思ったら、周りから止められても『いや、やります!』となりますね。その頑固さは似ているかも」と照れ笑い。すると芳根も「私も、自分がこれだと信じたものを信じる思いの強さは千穂さんと似ていると思います!」と役柄に共感を寄せていた。
「俳優のお仕事で『良かった!』と思う時はどんな時ですか?」との質問には時代劇が出来るのは良かったと思いました。タイムスリップではないけれど、衣装を着たり、カツラをかぶったり、刀を持って立ち回りしたりと、普段はできない事を経験できるのは俳優ならではの良さです」と松坂。芳根は「作品を作るときのチーム感が私は大好きです。みんなで一つの事に向かって走る日々は楽しく、遣り甲斐に感じています」と声を弾ませた。
「時代劇の撮影現場で大変だったこと」を聞かれると、芳根は時代劇ならではの扮装を挙げて「面白いと思ったのはあの恰好で街を歩くと誰からも声をかけられないこと。あの恰好でコンビニに行きました! 世の中に馴染めないのが面白い(笑)」と思い出し笑い。
松坂も「僕は時代劇の扮装で喫茶店に入ってコーヒーを飲みました。喫茶店なのでお茶はなかったけれど…」と子どもたちを笑わせながら、「店員さんに不思議な顔をされました。その時は大変でしたね」と愉快そうに当時を振り返っていた。
本作のメガホンを取った小泉監督は、「人との出会いは大切です。皆さんにも良い出会いがあると良いなと思います。これから良い人生を歩んでくださいね」と大先輩として未来ある子どもたちに呼び掛けていた。
最後に松坂は「皆さんと一緒に同じ時間を過ごせたこと、凄く幸せでした。時間が経ってもこの日『雪の花 ―ともに在りて―』を見たことを思い出していただければ、僕らもこの作品に愛を込めて作った甲斐があります。まだ本作を見ていない人、家族、友だち、誰でもいいです。この映画のことを話していただければ幸いです」と子どもたちに語りかけ、イベントは幕を閉じた。
『雪の花 ―ともに在りて―』は1月24日より全国公開。
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