鈴木亮平「大切な人との記憶を思い出す作品」──映画『花まんま』プレミア試写会イベント

早逝した両親と交わした「兄貴はどんな時も妹を守るんや」という約束を胸に、妹の親代わりとして大阪の下町に生きる熱血漢──。作家・朱川湊人の代表作で、ある兄妹の不思議な体験を描いた物語を、鈴木亮平、有村架純で映画化した『花まんま』。このたびその公開に先立ち、有楽町朝日ホールにてプレミア試写会と、試写会イベントが行われた。

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鈴木亮平のなかで、最初から妹のイメージは有村架純だった

当日は、熱血漢の兄・加藤俊樹役の鈴木亮平、子どものころから別人の記憶を持って育ちながら、まもなく結婚を迎える妹・加藤フミ子役の有村架純、フミ子の婚約者・中沢太郎役の鈴鹿央士、俊樹の幼馴染でフミ子にとっては姉的な存在の三好駒子役のファーストサマーウイカ、お好み焼き屋『みよし』の大将で駒子の父・三好貞夫役のオール阪神、俊樹が高校生の頃から働く『山田製作所』の山田社長役を演じたオール巨人、そして前田哲監督の総勢7名が登壇した。

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まず鈴木が「みなさん本日はようこそお越しくださいました。本当に優しくて強烈に感動する映画ができたと思います。ぜひ楽しんでくださればうれしいです」とひとこと。

続いて妹・フミ子役の有村は「最高の兄やんと一緒に兄妹という役どころを演じて、とっても楽しく幸せな時間を過ごせました。ぜひ最後まで楽しんで帰ってください」とあいさつ。

次に鈴鹿が「ひとりひとりの人生に寄り添ってその人の物語になってくれる作品だと思います。会場の皆さんはこのあと見られるということで……」と途中で言葉に詰まると、鈴木やオール巨人が鈴鹿をフォローし、客席からは笑いが。

ウイカも「ここからグっと関西臭が強くなりますからね！（笑）」と笑わせ、「この役をいただけて本当に光栄に思っています。これから人生を歩まれて出会いと別れがあるなかで、困難にぶつかったときに、ふと心のふるさとを思い出せる作品だと思います」と流ちょうにコメント。

オール阪神は「緊張しいなのでカメラがまわると心臓が口から出そうなくらい頑張らせていただきました。両方に背の高いのがいて捕まった宇宙人みたいですが、本当に素晴らしい映画なので今日は楽しんでください」と語る。

相方のオール巨人は「本当に楽しく参加させていただきました。山田製作所は鉄工所で、いまこんな鉄工所あったらトランプ関税でつぶれているんじゃないかと思いながらやっていました」とすかさず時事ネタを放り込む。「作品を試写で見たんですが、後半3分の２はずっと泣いてしまいました。ぜひ楽しんで泣いてください」とあいさつして会場を盛り上げた。

最後に前田哲監督が「映画『花まんま』の登場人物たちはみんな愛しい人たちです。ぜひ楽しんでご覧になってください。」とあいさつした。

有村と初共演だという兵庫県西宮市出身の鈴木は「有村さんとすごく地元が近くて、デビューしたときから“伊丹の子がデビューした”と聞いていました」と語り、「今回の作品のお話を最初にいただいたとき、関西の兄妹の話だと聞いて、フミ子役のイメージは『有村架純さん』とお答えしていたので、こうしてかなってすごくうれしかったです」とほほ笑んだ。

現場でも「すごくナチュラルに気を遣い合わない関係で、実際の兄妹はそんなにべたべたしないので、何も言わなくてもそういう距離感でいられて相性がよかったと思います」と初めから自然体の関係でいられたことを振り返った。

有村も鈴木の印象を「これまでは授賞式などのリラックスしていない状態でお会いしたことしかなかったです。でも撮影現場に入ると、すでにこの地元にずっと住んでいるお兄ちゃんという雰囲気が漂っていました。関西弁で話しかけてくれて壁が一切ない印象で、みんなを自然と巻き込んで前に進めてくれる方だと感じていました」とエピソードを披露。

現場は温かい雰囲気だったようで、鈴木・有村・鈴鹿・ウイカの４人で前田監督の家を訪れ「たこ焼きパーティー」をしたという。

そのエピソードが明かされると、すかさずオール巨人が「呼んでもろてない」とさすがのツッコミ。ウイカは「玄関に“たこ焼き”という暖簾がかかっていて、これは本気だと。とてもおいしいたこ焼きと白玉のデザートを用意してくださっていました」とパーティーの様子を明かした。

本作のイメージソング「my wish」を担当したAIも登場し、特別に一節をアカペラで披露する一幕も。

イベントの最後に、鈴木は「この作品は記憶に関する映画です。皆さんも登場人物の記憶にふれるなかで、ご自身の大切な人との記憶を思い出すんじゃないかと思います」とコメント。

さらに「愛する人と出会った経験、失った経験、逆に愛する人が生まれてきた経験があると思います。この映画を見て、心の底に眠っている記憶を少しでも思い出してくれたらうれしいです」と映画公開に向けた熱い想いを語り、イベントは大盛況のうちに幕を閉じた。

『花まんま』は2025年4月25日より全国公開。