『ヤクザと家族 The Family』(21年)の北村有起哉が主演を務め、『マッチング』(24年)の内田英治監督が、現代社会の抱える問題や矛盾を映画制作現場という舞台を通して、人間の表と裏をあぶりだしていく完全オリジナル作品『逆火』。予告編、メインビジュアルとともに、注目のヒューマンサスペンス作品の詳細が明らかになった。
・『誰よりもつよく抱きしめて』三山凌輝(BE:FIRST)インタビュー
真実に向き合うことをやめてしまった大人たちに贈る作品
家族のことを顧みず、いつかは映画監督になることを夢見ながら撮影現場で働く助監督の野島(北村有起哉)。
次の仕事となる、ある少女による自伝小説の映画化の現場を切り盛りするところから、物語が動き出す。
貧しい家庭で育ち亡き父の介護をするなど苦労して成功した少女ARISA(円井わん)。ところが、周囲の話を聞くうちに、小説に書かれている美談とは程遠い“ある疑惑”が浮き彫りになっていく。この女は、悲劇のヒロインなのか、それとも犯罪者なのか──?

映画化の根底を揺るがしかねない事態に陥ってもなお、名声を気にして理想論を振りかざすエゴイストの監督(かもめんたる・岩崎う大)、現場任せで大ごとにしたくない会社員プロデューサー(片岡礼子)……ギャラのために続けたいスタッフとさまざまな思惑で撮影を中断したくない面々が、真実を追求する野島に圧力をかけてくる。
さらに、プロデューサーは野島の口を封じるかのように「この現場を乗り切れば監督デビューができるかもしれない」とささやくのだった。
そして、真実は置いてきぼりにされたまま撮影は進められていく。やがて疑惑の火は、家族をも巻き込み野島の日常は崩れ始める……。
そもそも映画とは芸術かビジネスなのか? 貧困をテーマにした作品など社会派と言われる映画は、大きな映画祭で絶賛される。
だが、その映画を作っている人たちは本当に貧困問題に寄り添っているのだろうか?
映画制作現場を通して、きれいごとを語りながらも成功するために魂を売り、真実に向き合うことをやめてしまった大人たちに道徳観を問いただす、踏み絵的な物語だ。
注目されるのは、本作で物語の鍵を握る、自伝小説で成功した疑惑のヒロインを演じる円井わん。これまでも『サイレントラブ』(24年)『マッチング』と内田監督作品で存在感を見せてきた彼女の演技に注目が集まる。

今回、その円井と内田監督のコメントも発表された。
■円井わん(ARISA役)
逆火でARISA を演じさせていただきました。
内田英治監督の作品が俳優デビューの私としては、今回このような大役をいただけたことをとてもうれしく思います。
現代においてのさまざまな闇をテーマに展開される社会派ヒューマンサスペンスです。何を大事にすべきか、何を天秤にかけるべきか、何を正義とするのか。北村有起哉さん演じる主人公の野島に降りかかる問題に観客の皆さまも翻弄される作品となっていることと思います。私自身、脚本を拝見した段階で多くのことを調べ多くのことを疑いました。
今を生きる皆さまに本当に見ていただきたい作品になっております。『逆火』がたくさんの方の目に留まりますように。ぜひ劇場でお待ちしております。
■内田英治(監督)
『逆火』は個性的な俳優たちがのびのびと演技し、映画界の裏側をリアルに表現をすることができた。理想がおかしな方向に向いてしまう映画監督を、お笑いの世界で活躍する岩崎う大さんが静かながらに不気味な雰囲気を作ってくれている。そして主人公の妻を演じた大山真絵子さんは、現代社会を鋭く反映させた母親像を熱演した。さらには近年めきめきと評価を高めている円井わんさん。私の映画『獣道』で最初に彼女を見たとき、個性の塊だと思った記憶がある。その個性で、『逆火』にも不思議な世界観を作ってくれており、サスペンス感を強めることができた。自由であることがウリのインディーズスタイル。俳優たちの個性がぶつかり合いをぜひ見ていただきたい。
『逆火』は2025年7月11日より全国順次公開。
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