『愛されなくても別に』は“クソ”のような生活からサバイブする女性たちの青春映画だ
#南沙良#愛されなくても別に#本田望結#武田綾乃#馬場ふみか
テレビアニメ化などで大ヒットした「響け！ユーフォニアム」シリーズの作者・武田綾乃原作の映画『愛されなくても別に』。家族間から生じる問題と、社会のひずみに切り込む問題作の新たな場面写真が公開された。
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毒親、虐待、貧困、束縛……「不幸中毒」からの脱却を目指す女性たち
『愛されなくても別に』は2021年に第42回吉川英治文学新人賞を受賞した同名小説の映画化だ。
19歳の宮田陽彩（南沙良）は、大学に通い、それ以外の時間のほとんどを浪費家の母に変わっての家事とコンビニでのアルバイトに費やしている。
バイトで稼いだ金も、学費と母と2人暮らしの家計8万を収める日々。遊ぶ時間も、金もない。“クソ”のような生活だ。だから親にも友人にも、何かに期待して生きてきたことがなかった。いつものように早朝にバイトを終えた宮田は、母のために朝ご飯を作り、家事をした後に大学に登校した。
そこで大学の同級生であり、バイト先の同僚でもある江永雅（馬場ふみか）のひょんな噂を耳にする。
威圧的な髪色、メイク、ピアス……バイト先ではイヤホンをつけながら接客する、地味な宮田とは正反対の江永。実は、彼女のお父さんは、殺人犯なんだ、と……。
他の誰かと普通の関係を築けないと思っていたふたりの出会いが、それぞれの人生を変えていく──。
今回解禁されたこの度解禁された場面写真では、宮田の大学の同級生・木村（本田望結）や、宮田のバイト先の同僚・堀口（基俊介）をはじめとした、物語を彩る登場人物たちが見せる、印象的なシーンが切り取られている。
宮田にコンビニでのアルバイトを紹介する木村は、。親からの過干渉に悩み、宗教団体の「宙の会」にのめり込んでいた。宮田と江永は木村を救うために潜り込み、その施設の食卓で木村が”数珠”を宮田に手渡す場面も写し出されている。
それから、“ある出来事”が原因で、逆上した木村は刃物を突きつけるシーンも映し出されている。本田望結がこれまでに見せたことのない、緊迫感あふれる演技に注目だ。
また、雨の中、江永にそっと傘を差し出す謎めいた男（伊島空）の姿や、宮田や木村の母親たちが浮かべる表情の意味とは……。
さらに、虚ろな表情を浮かべ、水面に身を預ける宮田のカットでは、南沙良が身体を張って挑んだ迫真のシーンにも目が見逃せない。
本作の監督は若干29歳・井樫彩。『溶ける』（16年）が第70回カンヌ国際映画祭シネフォンダシオン、続く『真っ赤な星』（18年）も、レインダンス映画祭コンペ部門に長編映画として日本人最年少で正式出品された、期待の新鋭だ。
毒親、虐待、貧困、束縛……さまざまな苦悩からサバイブする女性たちの清々しさと、「不幸中毒」からの脱却をテーマにした本作に、多くの注目が集まっている。
『愛されなくても別に』は2025年7月4日より全国公開。
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