毎年恒例の日本最大のJAZZの祭典「TOKYO JAZZ」。世界中から一流のアーティストが集合するとあって、早々に通しチケットは売り切れるなど、音楽好きなオトナのイベントとして定着しているが、今年はさすがに東京・渋谷のNHKホールを中心としたライブ会場や屋外ステージを使ったライブは困難として開催自体が見送られるかと思われた。
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ところが一転、「TOKYO JAZZ +plus LIVE STREAM」と題し、本来の開催予定と同日程の2020年5月23、24日に東京JAZZ公式YouTubeチャンネル生配信! しかも無料という英断となったのである。
のべ6時間にも亘る無料配信は世界中の音楽ファンを魅了。驚いたのは、ミュージシャン同士が「リモート」でセッションをおこなっても、じゅうぶんシンクロしたJAZZ演奏を魅せられるのだということ。アイコンタクトしながらのインプロビゼーション(即興)が魅力の生でのコンサートとはまた違った、互いの間を確認しながらのまさに「あうんの呼吸」は、見ているこちらも息を呑んだ。
たとえば、Still Dreaming with ジョシュア・レッドマン、ロン・マイルス、スコット・コリー & デイヴ・キング の「Blues for Charlie」。演奏後にメンバー自身も”へえ〜、やればできるじゃん”と言わんばかりの表情を見せたのが印象的だった。
圧巻は上原ひろみの「Kaleidoscope」。鍵盤の上を駆け巡る指の動きが固定カメラでここまでバッチリ見えることはなかなかなく、公式Twitterには視聴者から配信が始まると同時に「一体何が起こっているのか!?」といった悲鳴のようなコメントが相次いだ。
例年であれば、こうしたライブは一部が9月初旬にNHKのBSPなどで深夜放送されていたが、今年はこれらの貴重な演奏の数々が改めてYouTube公式チャンネルに期間限定でアップされ楽しめるようになっている。
世界各地にある各アーティストの自宅の様子も垣間見えたりして、ちょと得した気分に。
普段のライブ(Ninth Annual Berklee Middle Eastern Festivalなど)ではめちゃカッコイイ天才ピアニストのティグラン・ハマシアンのアルメニアの自宅からの配信では、雑然とした部屋で壊れたピアノを演奏。泰然とした姿で引く「いつか王子様と」には、終盤に至るにつれてじわじわ感動すること必至だ。
きちんとした会場・音響での生演奏に勝る体験はないといわれるけれども、これもひとつのプレゼン手法、鑑賞方法としてアリだとおもわせる興味深いコンテンツとなっている。演奏の素晴らしさはもとより、チャーミングなお人柄もちょっと伺えるので、お気に入りのアーティストを発掘してデジタル配信音源をチェックしてみては? 自宅でサマフェス、オススメ!(文:fy7d)
●出演アーティスト:上原ひろみ、HZETTRIO、Ovall×RuriMatsumura、Ovall×Gotch、 小曽根真 featuring No Name Horses、小田朋美×中山晃子 、川口千里、ゴーゴー・ペンギン、Still Dreaming with ジョシュア・レッドマン、ロン・マイルス、スコット・コリー & デイヴ・キング、 チック・コリア、ティグラン・ハマシアン、ディマシュ・クダイベルゲン、デヴィッド・サンボーン、 TRI4TH、チャイナ・モーゼス、挾間美帆 m_unit surprising guest リオーネル・ルエケ、 バルトロメイ・ビットマン、平原綾香、日野皓正、fox capture plan、ボブ・ジェームス、 マイケル・リーグ、マンハッタン・トランスファー、ミシェル・カミロ、ミシェル・ンデゲオチェロ、 やのとあがつま(矢野顕子&上妻宏光)、ラリー・カールトン、リー・リトナー、 ロベルト・フォンセカ、ダナイ・スアレスほか
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