NiziU台頭で物議 令和アイドルは平成のアイドルシステムにそっぽ向く?

#NiziU#アイドル#韓流#K-POP#AKB48

NiziU
画像はNiziU公式サイトより

昭和、平成とつむがれてきたアイドル文化。令和の訪れとともに、新しい流れが生まれ始めている。

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8月12日、Yahoo!Japanトップに掲載されたプレジデントオンラインの記事「なぜNiziUは世界を興奮させるのか…日本のエンタメが『韓国に完敗』した理由」(https://bit.ly/346GdaT)に、4800件以上の読者コメントが殺到し、賛否入り乱れて異様な雰囲気になった。

8月17日に掲載されたオリコンニュースの「K-POPネイティブ世代の台頭で変革するアイドル市場 もはや日本デビューを望まない若者たち」(https://bit.ly/322ZoQ8)も2000件以上コメントが寄せられた。長年続く平成のアイドルシステムを支持する層と、疑問を投げかける層がぶつかり合う構図が発生している。

かつて、山口百恵や松田聖子に代表される昭和のアイドルは、テレビの向こうにいる近づきがたく、遠い存在だった。平成中期に入ると状況が一転。2005年12月に誕生したAKB48を中心に、“会いに行けるアイドル”というコンセプト、“推し”と呼ばれる自身の好きなメンバーの成長を楽しむ仕組みなどが脚光を浴びる。その後、国内外でAKB48の姉妹グループが誕生し、彼女たちはいつしか自分たちを「AKB48グループ」と呼び始め、規模拡大を強調した。同じように、ファンとの交流文化に根付いた「地下アイドル」の文化も生み出した。

“会いに行けるアイドル”は、歪(いびつ)も生んでいる。ファンによる握手会や総選挙投票への参加券付きCDの大量購入が発生するなどして、一部から“キャバクラ方式”などと揶揄されるようになった。

それだけにとどまらない。川栄李奈(元AKB48)らが負傷した握手会での事件も発生。一昨年には山口真帆(元NGT48)が自宅マンション前で襲われるなど、アイドルとファンの間で物理的に距離が近すぎるがゆえの事件も起きている。

そうした中、平成後期に別の流れが生じる。日本人3人を含む9人組のグループ「TWICE」(15年結成)やタイ人のリサやオーストラリア出身の韓国人ロゼを擁する4人組グループ「BLACKPINK」(16年結成)を筆頭に、パフォーマンス重視の多国籍韓国アイドルグループが世界的に脚光を浴び始める。

2018年からスタートした日韓合同グループ「IZ*ONE」のプロジェクトには、HKT48の宮脇咲良らが参加。オーディションの一部始終が放送された「PRODUCE 48」では、現役アイドルであるAKB48グループのメンバーたちのパフォーマンスが酷評される場面もあり(その後、スキルアップして評価を変えるメンバーも)、日韓のアイドル文化の差異を考慮しても、ダンスや歌唱など基礎のレベルに差があることを視聴者に感じさせた。

2020年には、日本のSony MusicとTWICEを輩出した韓国のJYPエンターテインメントの合同プロジェクトで、アイドルグループ「NiziU」が誕生する。メンバー9人が全員日本人ながら、JYPの社長にして、自身もパフォーマーであるパク・ジニョンの指導を受けてメキメキとパフォーマンスが向上し、2020年6月にプレデビュー曲「Make you happy」を発表。YouTube上で公開されている日本語版・韓国語版MVの総再生回数は2ヵ月未満で1億回超を突破した。コメント欄には、英語圏からのメッセージも多く、世界デビューに向けて見通しは明るい。優れたパフォーマンスや世界デビューに憧れるアイドルの卵が、日本を飛び出して韓国の芸能事務所が関わるプロジェクトに参加したい、と考えるのは想像に難くない。

令和はどのようなアイドルが勝ち組なのか、と問うには時期尚早であり、ナンセンスだ。むしろ、AKB48に代表される交流型グループも、韓国発のパフォーマンス重視のグループも共存することこそが、アイドル文化のさらなる成熟と発展に寄与するのではないだろうか。