『家なき子 希望の歌声』(原題『Rémi sans famille』2018年/フランス)が 11月20日より日本全国でロードショー公開される。
フランスの美形俳優が、狂気の地獄を生き延びた兵士を渾身の演技で体現
19世紀に発表されたフランスの作家エクトール・アンリ・マロによる児童文学作品「家なき子」を映画化したもので、主人公レミには弱冠11歳のマロム・パキンを抜擢。美しい歌声の持ち主で、今回の新生『家なき子』のカギとなる純粋な少年らしさを表現する。
そこに『橋の上の娘』などで印象的な演技が光る名優ダニエル・オートゥイユや、フランソワ・オゾン監督と組んで一世を風靡したリュデュヴィーヌ・サニエら実力派が脇を固める。
日本で『家なき子』といえば、東京ムービー新社制作のテレビアニメがよく見られたかもしれない。「同情するなら金をくれ」の某テレビドラマとはかけ離れ、どちらかというとこの春再放送されて好評だった「おしん」に近いか。 ただ、『家なき子』は主人公が少年というのが決定的に違う。少年と冒険を結びつけようとする時代の産物もいえるが、今これをリバイバルさせるにあたり、美しい歌声と結びつけることでジェンダー要素を排除しているようにも思う(なお、日本アニメーション制作による『家なき子レミ』では主人公が少女に差し替えられている)。
そのあたりも含め、リアルな動物たちのCGに美しい南仏の風景と美しい歌声に満ちた、ディズニー映画とは違うフランスの児童向け作品を家族で味わいたい。(文:fy7d)
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