黒沢清監督の代表作『CURE』が、4Kデジタル修復国内初ブルーレイ化。あの不気味さが一層鮮明に
現在開催中の第77回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に映画『スパイの妻』が正式出品され、現地時間12日の発表に期待がかかる黒沢清監督。その代表作『CURE』(97年)が、4Kデジタル修復を経て国内で初めてブルーレイで発売になる。
『CURE』は、 猟奇殺人事件を追う高部刑事(役所広司)と謎の男・間宮(荻原聖人)の対決が見物のサイコ・サスペンス。普通の一般人が催眠に掛けられ狂気に陥るこの作品は、第27回ロッテルダム映画祭や第16回ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭へ出品され、黒沢清が海外で高い評価を受けるきっかけとなった。
今回のリリースにあたり、黒沢清監督は「私の人生に最も大きな影響を与えた映画です。多分このようなものは二度と撮れないでしょう。あの頃は、まだJホラーだの海外映画祭出品だのといったカテゴリーもなく、ただ理解ある仲間たちと楽しくやりたいようにやっていただけです。それで何でこんなにダークな映画が、と思われる方もいらっしゃるでしょうが、そういうものなんですね」とコメント。
このブルーレイは、オリジナルネガから4Kスキャンと修復を行い高ビットレートでエンコードしたデジタルニューマスターを使用。喜久村徳章撮影監督がグレーディングを監修したとのことで、心理的描写とともに映像から受ける不気味さが際立つこと請け合い。
特典映像として、未公開メイキング映像やスタッフの証言を交え、安里麻里監督による「黒沢清『CURE』演出術」、土川勉と下田淳行の「プロデューサー対談」を新たに収録。「第31回東京国際映画祭役所広司特集『CURE』ティーチ・イン映像(役所広司×黒沢清)」も収録される。
なお、『蛇の道』『蜘蛛の瞳』も新規HDマスターで同時にDVD化。特典として劇場公開当時の復刻チラシが封入される。(文:fy7d)
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