日本ウイグル協会が9月13日、ウイグルの強制収容施設付近で撮影が行われたと世界中で物議をかもす実写映画『ムーラン』を製作したディズニーを「国際的な人権問題への取り組みに対して、強い疑念を抱かざるをえません」と批判。ウイグルの人々への公式な謝罪などを要求している。
真実への強い思い貫く! ネット配信スタートの実写版『ムーラン』はアニメ版との違いは?
同作は、ディズニーの同名長編アニメーションを実写リメイクしたファンタジー・アドベンチャー。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、アメリカや日本では劇場公開を断念。9月4日から動画配信サービス「ディズニー+(プラス)」のみで展開している。
公開後、クレジットに「中国共産党新疆ウイグル自治区宣伝部」「トルファン地区党委宣伝部」「トルファン地区公安局」「カラ・ホージャ(高昌)区党委宣伝部」「ピチャン(鄯善)県党委宣伝部」に対する謝意が記載されており、同作の一部シーンが、100万人規模でウイグル族が強制収容されているエリア付近で撮影されていたことが明らかになった。主演女優リウ・イーフェイも過去に中国系SNS「微博(ウェイボー)」を通じて香港警察を支持すると表明しており、『ムーラン』は政治的側面から批判が増大。世界中で「#BoycottMulan」(『ムーラン』の鑑賞をボイコットしよう)というハッシュタグをSNSにつける動きが広がっている。
これを受けて日本ウイグル協会は、「ディズニー映画『ムーラン』に対して日本ウイグル協会からの声明」と題した于田ケリム会長名義の記事を公式サイトへアップ。クレジットに記載された機関は「中国のプロパガンダ製作をそれぞれ行う機関で、ウイグル人に対する人道犯罪とその隠蔽に最も責任のある機関」だと明言した。
また『ムーラン』の公開は「ディズニー社が中国共産党による東トルキスタンでのジェノサイドに、事実上加担していると解釈せざるをえません」と主張し、「深い悲しみと抗議を伝えます」「国際的な人権問題への取り組みに対して、強い疑念を抱かざるをえません」とディズニーを猛烈に批判。「ディズニー作品を愛する世界中の人々に大きな失望と怒りと悲しみを与えるでしょう」と断じている。
ウイグル協会はさらに、ディズニーへ『ムーラン』のスタッフロールの修正や、世界の人権問題に対する今後の取り組みの発表、ウイグルの人々への公式な謝罪などを要求している。
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本文 第3段落で以下の通り訂正しました。
訂正前:香港デモ
訂正後:香港警察
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