10月30日に新宿武蔵野館で初日を迎えた『ジャン=ポール・ベルモンド傑作選』が、多くの観客を集めている。土日の上映で満席の回が続出し、公開から3日間で観客動員1389人、興収193万4200円を記録する好スタートを切った。
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60年代から80年代にかけて大活躍したフランスの国民的スター、ベルモンドの主演作は、『ルパン三世』や『コブラ』といった日本のコミックやアニメ、またジャッキー・チェンやトム・クルーズなど後世のアクション映画に多大な影響を与えたと言われている。
伝説のスター、ベルモンドが中高年層を劇場に呼び戻した!
数週間前から劇場への電話問合わせが殺到していた本作。当初1日4回を予定していた上映数が急遽追加され、1日6回の上映になったほか、公開2日目の31日には、本傑作選の配給プロデュースを手掛けた映画評論家・江戸木純が、終日、映写室から影マイクを使って解説を行う“生解説”付き上映を実施するなどの試みも好評を博している。
本傑作選に訪れる観客の多くは50~60代の中高年男性層が中心。一方、ベルモンドの出演映画を見るのは初めてという若い映画ファンや女性層も予想以上に足を運んでおり、劇場内は「ベルモンドが演じる生身の肉体を駆使したアクション」への驚きと興奮にあふれ、終映後に拍手が沸き起こる回もあるという。
新宿武蔵野館は「コロナによる休館後の劇場再開以来、『ベルモンド傑作選』は最高のオープニングの1つとなっています。鑑賞後の満足度もとても高く、続けてほかの作品をご覧くださるお客様が大勢いらっしゃいます。初日が開けてからも問合わせが続いており、中高年層にしっかりと足を運んでいただけていることから、平日も安定した興行が期待されます」と話している。
ベルモンド本人からも以下のコメントが届いた。
「日本の皆さん、こんにちは。日本の観客の皆さんが、私の映画を再発見してくれることをとてもうれしく思っています。舞台『シラノ・ド・ベルジュラック』の日本公演(92年)の際、日本滞在中に本当にいろいろと素晴らしい経験をたくさんさせていただきました。今でもとてもいい思い出として、昨日のことのように強く記憶に残っています。今回上映される8作品はどれも私にとって重要な作品です。私には4人の子どもがおりますが、私は自分の出演した映画をまるで我が子のように思っており、どれも大好きで、愛しています。それぞれに個性的で、素晴らしい作品揃いです。ですから、どれか1本ではなく、できればすべて見て欲しいです。アクション・シーンはどの映画も私自身で演じました。通常は保険の関係で俳優が望んでもやらせてもらえませんが、多くの作品で私自身がプロデューサーも兼ねていたからできたことです。ジャッキー・チェンやトム・クルーズが自分で危険なアクションを演じられるのもプロデューサーを兼ねているからでしょう。数多い出演作の中から、私自身にとって最も重要なアクション・シーンを1つ挙げるとすれば、『ムッシュとマドモアゼル』の飛行機の上に立つスタントです。あのスタントは、映画史における最初のスタント兼俳優の一人であるローラン・トゥータンにインスパイされ、リスペクトを込めて撮った場面だからです。また、『恐怖に襲われた街』のヘリコプターを使ったアクションや地下鉄の屋根の乗ったスタントは、自分でも凄いことをしたと印象に残っています。私が全力を傾けて作った映画たちを、ぜひ映画館のスクリーンで楽しんでいただきたいと思います」
近年、興行成績の首位をアニメが独占するなど、大人の映画ファンが安心して楽しめる作品が少ない中、コロナ禍で映画館から遠ざかっていた中高年層がベルモンドの復活によって呼び戻されたことは、映画界全体にとって明るいニュースと言えそうだ。
『ジャン=ポール・ベルモンド傑作選』は、東京・新宿武蔵野館で上映中のほか、11月6日より大阪・テアトル梅田、福岡・中洲大洋映画劇場、11月7日より名古屋・名演小劇場、11月13日からは京都の京都シネマ、京都みなみ会館にてスタートするほか、全国順次公開予定。
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