11月16日、第71回NHK紅白歌合戦(12月31日放送)に出場する歌手がNHKより正式発表された。全41組(企画枠のGReeeeN除く)の中には、かつて紅白を盛り上げたAKB48や姉妹グループの名前がなかった。
NiziU台頭で物議 令和アイドルは平成のアイドルシステムにそっぽ向く?
今年は坂道グループが3組出場
AKB48は2007年に紅白初出場。以後11年連続で出場して常連化。2014年には姉妹グループのSKE48、NMB48、HKT48の最多4組が出場していた。
翌年の2015年には、公式ライバルグループの乃木坂46が紅白初出場。AKBグループと入れ替わるように人気が高まり、2020年は姉妹グループの櫻坂46(12月9日に「欅坂46」から改名し、再デビュー)、日向坂46とともに紅白の舞台に立つ。
AKBグループに響いたコロナ禍、人材不足、新潟事件
今回、AKBグループの紅白出場はなし。柏木由紀(AKB48)や須田亜香里(SKE48)、岡田奈々(AKB48・STU48)ら主要メンバーが、SNSで思いの丈をそれぞれ語っている。
“会いに行けるアイドル”をテーマに、握手会を中心に人気を広げたAKBグループだが、今年は新型コロナウイルスの拡大に伴い、活動縮小を余儀なくされた。
人材不足も深刻だ。全盛期は、選抜総選挙で上位7位に入った前田敦子、大島優子、篠田麻里子、渡辺麻友、高橋みなみ、小嶋陽菜、板野友美が“(初代)神7”と呼ばれ、抜群の知名度を誇った。2017年に渡辺がグループを卒業して初代の7人が全員いなくなり、HKT48の指原莉乃が2019年に卒業しても、次世代を担う若手が台頭しなかった。
さらに、新潟発のNGT48では2018年12月、元メンバーの山口真帆に対する男性ファンの暴行事件が発生。当時、同グループを運営していたAKSの対応などが世間から疑問視され、山口はグループを卒業。NGT48をサポートした企業は軒並みスポンサーを降り、同事件は訴訟問題に発展。AKBグループ全体のイメージダウンにつながった(現在のNGT48は新設会社Floraが運営し、心機一転、イメージ回復に努めている)。
他方、日本テレビが猛プッシュした9人組アイドルグループ「NiziU」が注目を集める。コロナ禍でネット配信番組が注目を集めやすい状況下で、グループのオーディション番組が人気を博して波に乗り、12月2日のデビュー後、歴代最速で紅白初出場をもぎ取った。
今年、AKBグループが紅白に選ばれなかったことは、令和へと変わった時代を象徴する出来事の1つと言えそうだ。
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