鬼才・ギャスパー・ノエ監督の真骨頂
『アレックス』のギャスパー・ノエ監督最新作『ルクス・エテルナ 永遠の光』が1月8日より全国順次公開となる。この度、その本編映像と、監督のコメントが公開された。
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本作は、アートと深い関わりを持ち続けるファッションブランド、サンローランのクリエイティブディレクター、アンソニー・ヴァカレロが「様々な個性の複雑性を強調しながら、サンローランを想起させるアーティストの視点を通して現代社会を描く」というコンセプトでスタートさせたアートプロジェクト「SELF」の第4弾。
主演を務めるのは『ニンフォマニアック』のシャルロット・ゲンズブール、『ベティ・ブルー』のベアトリス・ダル。さらに、『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』より女優業にも進出するモデルのアビー・リー・カーショウや、 ミカ・アルガナラズ、ルカ・アイザック、ポール・ハメリンといったトップモデルらが出演している。
ベアトリスとシャルロットは火と氷ですねという質問に、ギャスパー監督は「それがいいですよね。彼女たちはそれぞれにとても強い個性があります。奇妙なのは、最終日にあのような演技が出てくるとは思っていませんでした。シャルロットの磔姿を見た時といったら! 本当に凄かったです! そしてベアトリスがわめき出して、スタッフに『彼女にカメラを向けて!』と叫びました。私ですら、映画がどのような結末を迎えるか分かりませんでした。本当のことを言うと、エンディングがあんなに良いものになるとは思っていませんでした! トランス状態の女優2人が、私すら予期していなかったこれらのサイコなシーンを作り上げたのです!」と大絶賛した。
演じているのか? ドキュメンタリーなのか?
本作は、ベアトリス・ダルの初監督作の撮影現場で、“魔女狩り”が主題、主演は、シャルロット・ゲンズブールという設定だ。
この日は磔のシーンが撮影される予定だが、ネームバリューを買われ据えられたベアトリスを監督の座から引き下ろしたい男性プロデューサーとプライド高い男性撮影監督、更にはシャルロットを自身の作品にスカウトしようとするLAから来た新人監督、現場に潜り込んだファンだという映画ジャーナリストなど、それぞれの思惑や執着が交錯し、現場は次第に収拾のつかないカオス状態に。さらに、撮影直前のシャルロットに、子守に預けている娘から不穏な内容の電話までかかってきて、その場の全員が極限の精神状態に追い込まれる。
現場では、独裁者と化す撮影監督とベアトリスとの口論が延々と続き、機材は故障。神経に障るような点滅が続くカオス状態の中、シャルロットは、磔にされたまま次第に恍惚の表情へ……。
冒頭から挑発的な作品で、ベアトリス・ダルとシャルロット・ゲンズブールは、劇中のキャラクターを演じているのか本人なのか……。フィクションなのかドキュメンタリーなのかの境界が見えなくなっていく。
グロテスクな傑作とも評された『アンチクライスト』(09年)を彷彿とさせる本作。2018年カンヌ国際映画祭監督週間にて芸術映画賞を受賞した『CLIMAX クライマックス』に続き、2019年同映画祭ミッドナイトスクリーニングにて上映され、絶賛・酷評の賛否両論を巻き起こしたという。
『ルクス・エテルナ 永遠の光』は1月8日公開。
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