河西健吾が「想像できますか?」と語りかける予告映像
13歳の少年・東田直樹が執筆し、世界30ヵ国以上で117万部を超えるベストセラーとなっている「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」が、ドキュメンタリー映画となって4月2日に公開される。このたび、『鬼滅の刃』で時透無一郎を演じた声優の河西健吾がナレーションを務めた予告動画とシーン写真が公開された。
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河西が「とても素敵な予告編です。ぜひ皆さんにご覧いただけたらと思います!」という予告動画は、東田の言葉を代弁する河西の「言いたいことが言えない生活を想像出来ますか?」からはじまる。
「僕は、世界をどう見ているのか。僕の場合は、まず、部分が飛び込んでくる。今言われたことも、ずっと前に聞いたことも、僕の頭の中ではあまり変わらない」とのナレーション通り、先端だけ見える鉛筆、ガラスが細かく割れるように聞こえる雨音、逆さまに見える廃墟、独特の時間軸が映像でも表現される。「僕の心は、いつも揺れ動いている」というのだ。
動画の後半では、親や周囲の人々がそれを理解するようになったことで、自閉症と言われる子どもたちの特別な能力や独特のコミュニケーション方法に気づき、笑顔に包まれる。
そして最後に、「少しだけ、僕の言葉に耳を傾けて、僕らの世界を旅してほしい」と締めくくる。
自閉症の子と同じ体験ができる“体感型映画”
このドキュメンタリー映画が斬新なのは、映像表現や音響効果を駆使することで、自閉症と言われる子どもたちが見たり感じたりしている世界を、疑似体験できる“体感映画”である点だ。
その上で、「自閉症と呼ばれる彼らの世界が、“普通”と言われる人たちとどのように異なって映っているのか」を、世界各地の5人の自閉症の少年少女の姿やその家族たちの証言を通して明らかにしていく。
本作品は、第36回サンダンス映画祭にてワールド・シネマ・ドキュメンタリーコンペティション部門観客賞を受賞。バンクーバー国際映画祭長編インターナショ ナルドキュメンタリー部門観客賞、インパクト大賞をW受賞したほか、多数の海外メディアから「五感を刺激され自閉症者の世界を体感できる」(Backseat Mafia)、「斬新で見事なカメラワーク」(Screen Mayhem)、「感情に突き刺さるような美しさ!」(Variety)、「驚異的な作品!」(The Hollywood Reporter)などと絶賛されたほか、全米の映画批評サイト「ロッテン・トマト」でも満足度98%の高得点を獲得した。
「自閉症の子を持つ親に紹介したい」との衝動がリレーとなり映画化が実現
これまで誰も見たことのなかった驚きと発見に満ち溢れている映画『僕が飛び跳ねる理由』。
東田による原作「自閉症の僕が跳びはねる理由」を英訳したのは、トム・ハンクス、ハル・ベリー主演の映画『クラウド・アトラス』の原作で知られるイギリスのベストセラー作家デイヴィッド・ミッチェルとその妻ケイコ・ヨシダ。
デイヴィッドは自らも自閉症の息子を持つが、彼の行動に対する疑問の答えをこの書籍の中に見つけ翻訳を引き受けた。その英語版書籍「The Reason I Jump」が、本作にも出演しているジョスの両親(本作のプロデューサーを務めるジェレミー・ディアとスティーヴィー・リー)の目にとまり、映画化が実現したという経緯がある。(文:fy7d)
『僕が飛び跳ねる理由』は4月2日より全国公開。
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