アカデミーの会員約1万名、GGのHFPA会員は87名 会員数の少なさも問題
毎年アカデミー賞の行方を占う前哨戦の1つとして知られるゴールデングローブ賞について、主催団体の体制を問う声がハリウッドの映画人から上がっている。
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28日(現地時間)に第78回となるゴールデングローブ賞はハリウッド外国人記者協会(HFPA)会員の投票によって決定するが、その会員87名中に黒人のジャーナリストが1人もいないのだ。
HFPAはカリフォルニア州南部に拠点を置き、海外メディア向けの記事を執筆するジャーナリストによる団体だが、87名という会員数の少なさはアカデミー賞を選ぶ映画芸術科学アカデミーの会員数が約1万名という事実からもうかがえる。
ロサンゼルス・タイムズ紙は28日の授賞式を前に会員構成の偏り、さらにテレビ部門での候補作品『エミリー、パリへ行く』(Netflix)の制作会社がHFPA会員にロケ地パリへの接待旅行を行っていたことを報じた。
特に、長年にわたって黒人の会員がゼロという事実には、多くの監督や俳優らが反発し、SNSで「#TimesUpGlobes」のハッシュタグを掲げて抗議している。
エヴァ・デュヴァネイ監督は「ハリウッド外国人記者協会 87名中黒人会員なし」と書かれた画像にハッシュタグをつけて「昔からある話。新しいエネルギーを」とツイート。ジャド・アパトウ監督は「ゴールデングローブ賞とハリウッド外国人記者にはクレイジーなことがたくさんあるが、それにしてもこれはひどい」とツイートした。
TIME’S UPのアカウントは「表面的な修正だけでは不十分」と投稿した。
『エミリー、パリへ行く』の接待問題も
この言葉に共鳴し、Netflixで配信中の「ブリジャートン家」やドラマ「グレイズ・アナトミー」などを手がけたプロデューサーで脚本家のションダ・ライムズは同じ言葉を投稿。女優で『ブックスマート』で監督デビューしたオリヴィア・ワイルドはゴールデングローブ賞の「全候補者をサポート、祝福しますが、HFPAには意義ある変化が必要です。表面的な修正だけでは不十分です」とツイートした。
ヴィオラ・デイヴィス、ルピタ・ニョンゴをはじめ、ゴールデングローブ賞やアカデミー賞受賞経験のある女優たちも同じメッセージをインスタグラムで発信している。
ロサンゼルス・タイムズ紙の記事を受けて、HFPAは25日(現地時間)、以下のような声明を発表した。「私たちは、会員制度が映画やテレビ、そして我々をインスパイアし育ててくれるアーティストたちを愛する世界中のコミュニティを反映するように徹底しています」
HFPAは「黒人会員、その他のマイノリティの背景を持つ会員を取り込む必要があることを理解しており、こうした目標の達成を目指して直ちに取り組みます」としている。
『エミリー、パリへ行く』では、制作会社が2019年にHFPA会員のジャーナリスト30名をパリのロケ地に招待し、5つ星ホテル2泊や食事などに費用を負担している。これは1プロジェクトにつき125ドル以上の贈り物を受け取ることを禁じているHFPAの規定に違反するものだ。同作はゴールデン・グローブ賞でTVドラマのミュージカル・コメディ部門の作品賞、主演女優賞で候補になっている。
また、映画部門では、韓国からアメリカへ移民した一家を描いた人間ドラマ『ミナリ』が、セリフの大半が韓国語という理由で映画のドラマ部門対象から外され、外国語映画賞のみでノミネートされたことも問題視された今年のゴールデン・グローブ賞。コロナ禍でリモート開催になった授賞式の展開も含めて、注目が集まっている。
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