【映画興収レポート 2021年2月】
2月公開作の1位は『名探偵コナン』
2月公開作の1位は『名探偵コナン 緋色の不在証明』(7.4億円)。4月16日に公開予定の『名探偵コナン 緋色の弾丸』でキーパーソンとなる赤井ファミリーに焦点を当て、コナンによるナレーション収録や音響を新たに編集したテレビシリーズの特別総集編。上映館数は119館と少なめながら根強いファンを集客した。
2位は『樹海村』(5.4億円)。20年にヒットした『犬鳴村』(14億円)に続き、実在した心霊スポットを題材に描く清水崇監督のホラー映画だ。全国の上映館数はMX4D版、4DX版を含めて公開直後は420館にのぼり、映画館側の期待は大きかったが、興収が伸び悩んだ。
3位は『ファーストラヴ』(4.9億円)。直木賞を受賞した島本理生のサスペンス小説を主演・北川景子、監督・堤幸彦で映画化。主演の北川のほか、共演の中村倫也や芳根京子がバラエティ番組などに出演してPRに務めた。
2月公開作で興収10億円超えのヒットはなかったが、1月29日から公開された『花束みたいな恋をした』が好調だ。週末興行ランキングでは初登場で『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を抑えて1位を獲得。以降、5週連続で1位となっている。初週末は興収1億9100万円で大ヒットと呼べる成績ではなかったが、2週目は前週比15.9%のアップ。その後も、落ちの少ない興行でロングランヒットしており、2月28日時点で22.7億円。今年の公開作で20億円超えは初めてだ。
配給は東京テアトル、リトルモア。東宝、東映、松竹、ワーナー・ブラザースといった大手配給会社以外の邦画が興収20億円を超えるのは、18年『万引き家族』(ギャガ)、『カメラを止めるな!』(アスミック・エース、ENBUゼミナール)以来のことだ。
3月10日(水)には主演の菅田将暉と土井裕泰監督によるトークイベントが開催され、全国の映画館に中継される。3月に入っても息の長い興行が続きそうだ。(文:相良智弘/フリーライター)
[2021年2月公開作ランキング]
1位『名探偵コナン 緋色の不在証明』7.4億円
2位『樹海村』5.4億円
3位『ファーストラヴ』4.9億円
(2月28日時点。ムビコレ調べ)
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