『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(以下、『シン・エヴァ』)の3月13日・14日の興行収入が、11億7744万5400円・観客動員数76万人(累計219万人)を記録した。前作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』(以下、『Q』)と比較して、興行収入対比145.1%、観客動員対比133.6%のヒットが続いている。累計興収は33億3842万2400円をマークしており、こちらも『Q』の最終興収53億円を超えるのは時間の問題だろう。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』大ヒットスタート、初日興収は8億円超!
関わった全員を“エヴァの呪縛”にかけた26年
緊急事態宣言に伴う二度の公開延期を余儀なくされた本作。2012年に公開されたシリーズ第3作『Q』から足かけ8年以上を費やして、完結編としてようやく日の目を見た。2007年に『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』が公開されてから約14年、社会現象を巻き起こしたTVアニメシリーズが1995年10月に放送されてから約26年である。
当時学生だった世代は、一連の『エヴァ』シリーズとともに青春や社会人生活を送ってきた。ストーリーが難解ではあるものの、それでも見た人たちを虜にする庵野秀明監督のマジック、いわんや『エヴァ』シリーズをリアルタイムで見れるという幸福な呪縛にかかった人(最長26年)は多いはず。
『シン・エヴァ』は、公開前は「早く早く」と誰しもが思った。しかし公開されるや状況が一変した。SNSなどでは、8年以上待ったファンを納得させるだけの満足感(物語も演出も作画も)と、完結したことへの喪失感を同時に感じている人も少なくない。皆「早く早く」とせがんでいた頃に戻りたい気分だろう。
碇シンジたち、庵野監督ら錚々たる製作陣、長年支持し続けた観客。関わった全員が、形は異なれどエヴァの呪縛から解放された。これほど人の記憶に残るプロジェクトには、もうお目にかかれないかもしれない。
「『Q』の時点でストーリーがぜんぜん理解できん!」と二の足を踏む人も、迫力だけでも味わいに行ってほしい。よくできた複雑な文学作品のように、数年後、10年後にその良さを再発見できるかもしれない。庵野監督の魂の最終作『シン・エヴァ』は、映画館の大きなスクリーンで大勢の人々と一緒に見た思い出を心に刻むべき力作だ。
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