King & Princeの永瀬廉が、新作映画『真夜中乙女戦争』で主演を飾ることが分かった。共演は女優の池田エライザと俳優の柄本佑。監督・脚本は映画『とんかつDJアゲ太郎』(20年)などを手がけた二宮健。
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キンプリ永瀬廉「今まで皆さんが思い描いていた“永瀬廉”のイメージとは違うはず」
本作は、10代・20代を中心に圧倒的支持を受け、Amazonでは日本文学カテゴリでベストセラー1位を獲得した作家Fの初の同名小説を原作とする青春サスペンス。
物語の舞台は4月の東京。上京して1人暮らしを始めた大学生の“私”(永瀬)は友だちも恋人もいない。大学の講義は退屈で、やりたいこともなりたいものもなく鬱屈(うっくつ)としていた。そうした日々のなか、「かくれんぼサークル」で出会った冷酷で凛々しく聡明な“先輩”(池田)に惹かれつつも、人の心を一瞬で掌握する不思議な男“黒服”(柄本)と出会い、“私”の退屈だった日々は一変。廃墟に作った映画館で映画を見ては、他愛のないイタズラを繰り返す。ささやかだった叛逆(はんぎゃく)は過激さを増し、全ての退屈を破壊する“真夜中乙女戦争=東京破壊計画”に着手する…というストーリーが展開される。
永瀬は本作について「二宮監督には何よりも“カッコイイ”映画にして、一緒に成長しようとおっしゃって頂きました。撮影を経て、作品として完成したときに、最後にどんな“私”になっているのか…今まで皆さんが思い描いていた“永瀬廉”のイメージとは違っているはずです」と覚悟と期待感をのぞかせた。
池田は「ずっと正しく噛み合わないまま新たな動きを見せる歯車のなかで、争おうと生きる先輩を演じさせていただけることに感謝しています。優しくたくましく、嘘のないすっぴんな彼女になるのが楽しみです」とコメント。柄本は「二宮監督の現場は初めてです。永瀬さんとも初めてです。池田さんもちゃんと絡むのは初めて。『初めて』はとても怖いです。でも、だから面白いんだと思います」と語っている。
映画『真夜中乙女戦争』は来冬より全国公開。
【キャスト・原作者・監督コメント全文】
■“私”役:永瀬 廉(King & Prince)
原作を読ませていただいたとき、Fさんが紡ぐ言葉の一つ一つがゆっくりと全身を蝕んで、心が救われました。
なりたい自分がない、日々が退屈、友だちもいない。
自分と同世代の皆さんが抱える悩みの集大成のようで、だからこそ自分の意志で動いて、世界を変えてしまうんじゃないかと思わされる存在の“先輩”や“黒服”に出会ってまっすぐ惹かれてしまう、ある意味真っ白な青年の“私”。
二宮監督には何よりも“カッコイイ”映画にして、一緒に成長しようとおっしゃっていただきました。撮影を経て、作品として完成したときに、最後にどんな“私”になっているのか…今まで皆さんが思い描いていた“永瀬廉”のイメージとは違っているはずです。
皆さんと一緒にこの映画の世界観に酔いしれられる日を楽しみにしています。
■“先輩”役:池田エライザ
ずっと正しく噛み合わないまま新たな動きを見せる歯車のなかで、争おうと生きる先輩を演じさせていただけることに感謝しています。優しくたくましく、嘘のないすっぴんな彼女になるのが楽しみです。
この作品が世に、我々に何を問うか。時代に沿って様変わりしつづける生き物のようなこの作品に真摯に向き合えたらと思います。
■“黒服”役:柄本 佑
二宮監督の現場は初めてです。永瀬さんとも初めてです。池田さんもちゃんと絡むのは初めて。「初めて」はとても怖いです。でも、だから面白いんだと思います。がんばります。
■原作者:F
去る春の夜の出来事です。新宿はゴールデン街の路上で私がウイスキー瓶を喇叭(らっぱ)飲みしていたところ、サングラス姿の男が私に近づいてこう言いました。「おまえ、小説書いたらしいな。俺が映画化したろか」と。このような不審者が終電過ぎの歌舞伎町にはよく出没します。私は気づけば彼の側頭部に酒瓶を勢いよく叩きつけ「あんなん映画にできるわけないやろ」「こんな暗い時代になに言うてんねん」「フィンチャーに勝てんのか」と泣きながら叫んでいました。
彼はしかし、己の額から流れる血を気にも留めず、アスファルトに散らばった黒い破片をひとつひとつ集め、それを口に含んで噛み砕き、あまつさえその血塗れの顔に満面の笑みを浮かべながらこう言いました。「俺なら、最高の傑作が作れる」と。「だから今から一緒に温泉に行こう」と。
私は、きゃっと悲鳴を上げ、一目散に走って家に逃げ帰りました。その夜の男が、あの二宮監督だと知ったのは随分後になってからのことです。無論、この話は大嘘です。なんなら葬儀でグラスを噛み砕きながら大見得を切る男が出てくる韓国屈指のノワール映画『アシュラ』は、私のフェイバリットでありますが、本件とは何ら関係がありません。
それにしても嘘の中に一握りの「本当」を滲(にじ)ませるのが小説であり、音楽であり、映画だと考えられないでしょうか。そしてこんな時代でも私たちの心が映画を求め続けるのは、この一回限りの人生で、ダイヤモンドのように硬く、透き通った、一つの本当、一瞬の永遠に出会いたいからに他なりません。
都市の喧騒、若者の疾走、焦燥、衝突、そして、夜と光。人間の本当を描くプロ中のプロ、二宮監督が作る映画が面白くない訳がない。現代のアイドルを代表する永瀬廉さんには、いよいよこの度、ダークに、血まみれになって頂かねばなりません。池田エライザさんは今回どのように私たちを振り回してくださるのでしょう。危険極まる男を演じる柄本佑さんが放つ、男の色気にも大いに期待したい。
最後に夜型の皆様、都会の皆様、不良の皆様、お元気でしょうか。ロマンチストの皆様、失恋された皆様、大学生の皆様、あるいはかつて大学生だった皆様。ぜひ、続報をお楽しみに。この作品は少なくとも、あなた方に捧げられた映画です。
■脚本・監督:二宮 健
妖艶に輝く金箔(きんぱく)のタイトルに心を引き寄せられ、興奮の中で一気に読み切った『真夜中乙女戦争』。綴られた言葉たちの魔法に魅せられ、未曾有のカタルシスに身がよじれるほどの衝撃を受け、「これは、必ず自分の手で映画にしなければならない」と、決意しました。
それから今日までの間、世界の情勢が揺れ動く度にFさんと密談を重ねました。ふたりで寄り添い時代を見つめ、多くのことが簡単に崩れ去ると知ってしまった、今を生きる私たちのための新たな物語として、この作品が響き渡るよう、脚本の改稿を重ねました。
永瀬廉さんと「一緒に成長できる作品にしよう」と誓いを立て、池田エライザさんとは「この映画をありきたりな映画にはしない」と覚悟を共有し、柄本佑さんには「最高にカッコいい悪役になって欲しい」と思いを託しました。この3人と現場を共に出来ること、今からワクワクしています。
闇に包まれた時代に、身の丈にあった夢と希望を謳うより、真夜中にあぶりだされた愛と戦争、そしてこの社会に巣食う心の本音についての物語を声高に語りたい。
大いなる期待を胸にどうぞ。公開まで今しばらくお待ちください。
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