オールイタリアロケで撮影されたサスペンス大作『アマルフィ 女神の報酬』の完成披露試写会が、6月24日、東京のTOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われ、主演の織田裕二をはじめ、天海祐希、戸田恵梨香、佐藤浩市、佐野史郎、伊藤淳史、西谷弘監督が登壇。撮影裏話などを披露し、観客を湧かせた。
大きな話題のひとつが、邦画では過去に例のないオールイタリアロケ。約3カ月間、ローマやアマルフィ海岸でのロケが敢行されたが、佐藤が、「実は、ワンカットだけ日本で撮ったんです」と、うたい文句を揺るがす爆弾発言!「プロデューサーから言わないでくれと言われていたんですけど、ぶっちゃけ話しちゃう!」と、極秘裏話を教えてくれた。
佐藤が帰国後、イタリアで撮影したものの、フィルムの感光などで使えなくなってしまったシーンがあったことが判明。「当然、そのシーンはカットになると思っていたら、完璧主義者の監督は、ぜひ撮影したい」と佐藤。またイタリアに呼ばれるのかと思っていたところ、「ロケ現場の寸法を全部、採寸して、東宝の撮影所にワンセットを組んだんです」と続け、「ワンカットだけのためにイタ……」と言いかけ、「あぁ、これ以上、言えない」と核心部分の直前で発言をストップ、「あぶない、あぶない」と思わせぶりな笑みを浮かべていた。
一方、織田も、完璧主義者の監督から、とんでもない撮影を要求されたという。
「台本にはなかったのですが、突然、監督から、車に轢かれてくれ」と織田。「当然、スタントがいるのかと思ったら、衣装を渡され、あぁ、俺がやるのか……」と苦笑い。監督によると、「スペイン広場を見ていて思いついた」シーンだという。
さらに、ようやくその危険な撮影が終わってホッとしていた織田にスタッフから、ビデオの素材用に今のシーンを最初から最後まで一連でやってほしいという鬼のような追加リクエストが!「スタントもありですか!?」と言いつつも自ら撮影をこなした織田だが、「それだけの大変なワンカットは、見ていただくと分かるのですが、とても小さいかもしれません。ほとんど使われてないかもしれません」と寂しそうな笑顔。その撮影に同席していたという隣の天海も織田の言葉に大きくうなずきながら、「とても印象に残っています」と感慨深げにつぶやいていた。
現場のラテンなノリに驚いたのは、20歳の戸田。「ケータリングサービスのテーブルにコーヒーなんかと並んでウイスキーが置いてあって、『エッ、お酒!?』って! イタリア人スタッフは、ウイスキーとコーラを混ぜるとメチャうまいんだって言うんです。そして、コーラにすんごくウイスキーを入れて飲み、現場に戻っていきました。お酒飲みながら仕事するって、私、初体験だったので、すごく印象に残っています」と、初々しい感想を語ってくれた。そして、イタリア人スタッフの名誉を考えたのか、「ウイスキーを飲んだのは、寒かったからだそうです。体を温めるために……」と飲酒の理由も付け加えていた。
大阪で行われた試写会では終了後に拍手がわき起こるなど出来映えも上々らしく、早くもシリーズ化への期待がふくらんでいるという。織田は、「気が早いのかなという気もしますが、もっと見たいと思ってくれたら嬉しいです。面白いと思ったら、大声で『見せろ!』と言ってくれれば……」とまんざらでもなさそう。監督も、「要望があればいつでも」と笑顔で話していた。
『アマルフィ 女神の報酬』は7月18日よりTOHOシネマズ スカラ座ほかにて全国公開される。
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