東宝や松竹、東映、KADOKAWAなどで構成される一般社団法人日本映画製作者連盟が5月24日、「『映画館』再開の要望について」という声明文を発表。東京・大阪などにおける6月1日からの映画館の営業再開を訴えた。
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「映画業界全体に深いダメージ」危機と不平等訴える
政府が4月下旬に発出した緊急事態宣言下において、スポーツ会場や舞台の劇場の多くは、人数制限を実施しながら営業。しかし東京都や大阪において、1000平方メートル以上の大型商業施設に含まれる大手映画館は、自治体の休業要請を受けて閉館が続く。
同声明文では「映画館運営各社をはじめとした映画業界は、感染拡大の危機を何としても食い止めるという社会的な要請に応えるため、苦渋の思いでこれに従ってまいりました」と記されている。
一方で「全国興行生活衛生同業組合連合会が5月11日付で『映画を愛する皆様へ』として発表した声明文の通り、東京都が国の方針と異なる施設区分を適用し『映画館』に休業要請を継続した根拠につ き、合理的な説明を求めてまいりましたが、これまでのところ納得いくような説明をいただいておりません。また、『映画館』におけるクラスター発生のエビデンスはなく、『人流の抑制』という観点からも、他の集客施設やイベント等と比較して特段その効果が異なるとは考えられず、業界関係者のみならず一般の方からも、『なぜ映画館だけが』と、今回の措置に対する平等性への疑問が生じているところです」と率直な思いを訴えている。
続けて「『映画館』が長期間休業することは、それを運営する事業者だけでなく、作品を配給する事業者や映画を製作する事業者及びクリエイター等にとっても死活問題と言えます。東京都と大阪府だけでも、全国の映画館市場のシェアの35%程度を占有する最大のマーケットであり、そこでの上映ができないことは相応の収入減を意味します」と主張。「『興行』だけでなく『配給』『製作』その 全てに携わる者が大きな経済的損害を被ることになるのです」と述べる。
国・自治体の協力金の支給に感謝しつつ、「本来得られたであろう収入と比べれば、これらは比較にならないほど少ない金額にしかなりません。また、映画業界の中でも『製作』の現場に対しては十分な支援が有るとは言えず、今後も関係各所にご理解を求めるべくお願いしていく所存です。1年以上にわたる新型コロナウイルス感染拡大は、映画業界全体に深いダメージを与えており、何よりも一刻も早い『映画館』の営業再開による事業活動の正常化こそが求められているところであります」と意見。6月1日の映画館再開および、映画館の利用に関する不平等の是正を求めている。
日本映画製作者連盟の要望2点
①映画館はクラスターが発生していないことも踏まえ、感染症対策に万全を期すことを前提に、6月1日からの営業再開について認めていただきたい。
②感染状況に応じて、「映画館」の利用にやむを得ず制限をかける場合には、政府の基本的対処方針に沿った扱いをし、「映画館」を不平等に取り扱うことのないように各自治体にお願い致します。
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