Amazonプライム向けコンテンツ獲得に力を入れる
5月26日(現地時間)アマゾン・ドット・コムはハリウッドメジャースタジオの1社、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)を84億5000万ドル(約9200億円)で買収すると発表した。
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MGMは『007』『ロッキー』などの製作で知られる。1924年設立の老舗でライブラリーが充実しており、映画4000本(『ロボコップ』『氷の微笑』『羊たちの沈黙』など)、テレビ番組17000本(『ファーゴ』『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』など)を所有する。アマゾンは有料サービス「アマゾンプライム」の会員向けに動画配信サービス「プライム・ビデオ」を提供している
アマゾンでは近年プライム向けのコンテンツ獲得に力を入れている。昨年は映画『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』『星の王子ニューヨークへ行く2』と人気作の続編を獲得したほか、アカデミー賞作品賞候補作『サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ』、アカデミー賞助演男優賞や主題歌賞の候補となった『あの夜、マイアミで』などを製作している。。MGMの買収で配信コンテンツを強化する考えだ。
なお、10月に公開が控える『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は通常通り劇場公開されるようだ。同作をMGMと共同製作するプロデューサーのバーバラ・ブロッコリとマイケル・G・ウィルソンは声明を発表。「我々はジェームズ・ボンド映画を世界の劇場の観客に向けて作り続けていきます」と述べている。
去る5月17日、米通信大手AT&Tは傘下のワーナーメディアを分離し、メディア大手ディスカバリーと統合して新会社を設立すると発表した。ワーナーメディアが運営するHBO Maxの会員数が4060万人、ディスカバリーが運営するディスカバリー+が1300万人で合計すると5360万人に達する。ネットフリックスの会員数は2億760万人、ディズニーグループの動画配信サービスであるディズニー+、Hulu、ESPNの会員数は計1億5150万人。アマゾンによるMGM買収、ワーナーメディアとディスカバリーの統合と動画配信市場を巡る競争は激しさを増している。(文:相良智弘/フリーライター)
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