『ゴジラvsコング』はじめ公開延期も相次ぐ
5月公開作の1位は『美しき誘惑 現代の『画皮』』(4.8億円)。宗教家の大川隆法が製作総指揮と原作を担当し、「九尾の狐」に取り憑かれた妖魔の女性と、彼女に心を奪われた男の姿を描く。
・あるべき人の姿が、見事に表現/『いのちの停車場』柳葉敏郎インタビュー
2位『いのちの停車場』(3.8億円)は在宅医療を行う診療所に勤めることになった女性医師が主人公の社会派ヒューマンドラマ。吉永小百合が自身初となる医師役に挑んだ。3位『地獄の花園』(3.5億円)は日本中のOLが裏で派閥抗争を繰り広げる奇想天外な物語で、お笑い芸人バカリズムによるオリジナル脚本の映画化。永野芽郁、広瀬アリス、菜々緒らが出演している。
5月公開作で興収10億円超えのヒットはなく、興行全体が振るわなかった。緊急事態宣言が発令された兵庫、京都では4月25日から5月11日まで、東京、大阪では5月31日までシネコンを中心に多くの映画館が休業した。東京、大阪という大都市部で集客が見込めず上映作品は軒並み興収が伸び悩む一方、5月公開作では延期が相次いだ(主な作品)。
『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』(5月7日公開→6月18日公開)
『ゴジラvsコング』(5月14日公開→未定)
『アオラレ』(5月14日公開→5月28日公開)
『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』(5月28日公開→6月18日公開)
『100日間生きたワニ』(5月28日公開→7月9日公開)
最終的に緊急事態宣言は6月20日まで延期された。東京では映画館への休業要請がなくなり、6月1日から営業時間を21時までに短縮し、座席を1席ずつ開けて販売。一方、大阪では平日は21時までの営業となるが、土日は休業となる。厳しい状況が続く中、6月興行の巻き返しに期待したい。(文:相良智弘/フリーライター)
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