「日韓友好のきっかけになれば」『王の願い ハングルの始まり』チョ・チョルヒョン監督が語る未来
ハングル文字を創製した世宗大王を描いた史劇エンターテインメント
2020年アカデミー賞で4部門受賞を果たした『パラサイト 半地下の家族』に出演し、国際派スターへ躍進したソン・ガンホが、独自の文字(ハングル)創製のために命を懸けた世宗大王を演じた『王の願い ハングルの始まり』が6月25日より公開される。
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朝鮮王朝の時代、全ての人民が文字を読み書きできる国を夢見た世宗の情熱と葛藤を、ソン・ガンホが迫真の演技で演じ切っている本作。王に反発心を抱きながらもいつしか支え合うシンミ和尚に扮するのは、演技派俳優パク・ヘイル。本作が遺作となったチョン・ミソンが王后役として登場し、3人にとっては『殺人の追憶』以来16年ぶりの共演作となった。また、ドラマ『愛の不時着』のタン・ジュンサンが僧侶役で出演している。
『王の運命―歴史を変えた八日間―』の脚本で、多くの賞に輝いたチョ・チョルヒョン監督が、本作で待望の監督デビューを飾り、脚本も担当。ハングル完成までの展開を軸に、王と逆臣との対立や、王家が直面する哀しき運命などが折り重なる史劇エンターテインメントだ。
このほど、「長年の夢」と語る監督デビューを果たしたチョ・チョルヒョン監督のオフィシャルインタビューをお届けする。
「日韓の間でお互いの文化や歴史を見る、小さなきっかけになれば」
映画製作会社の代表として、長年、映画に関わってきたチョ・チョルヒョン監督。「一度経験してみたかった」という“監督”に向けて、2年間登山をして体力をつけて撮影に挑んだという。「歴史の中で誇れる人物やその業績を題材にしたい」という思いから、「韓国の歴史において偉大だとされている世宗を映画のテーマで扱いたいと思った」と、ハングルを創製した世宗をテーマにした理由を明かした。
世宗役にソン・ガンホを選んだ理由を「世宗といえば韓国で知らない人はいないような偉人です。そのような人物を演じられる役者と言えばソン・ガンホしかいないと思いました。現場のモニターを通じて彼の演技を見ると衝撃を受けます。微妙な感情の変化を自由自在に見せることができる素晴らしい役者です」と魅力を語る。
世宗を助けるシンミ和尚を演じたパク・ヘイルと、世宗の妻・ソホン王后を演じたチョン・ミソンの演技について「『殺人の追憶』から10年以上経ってから3人が再び共演することになったのです。『殺人の追憶』の時はパク・ヘイルさんがまだ新人のようで、10年前の若い役者が大きく成長し、同じような立場で共演できるということをソン・ガンホさんは本当に喜んでいました」と明かし、「現場にいる3人を見ていると本当の家族のようでした。映画の中では対立する立場なのですが、まるで10年間離れていた離散家族が再開したように幸せそうに見えました」と述懐した。
最後に「現在、日本と韓国を取り巻く環境が決して良いとは言えない中で、この映画が公開されることはうれしい驚きです。この映画を観て日韓関係を数十年、百年単位ではなく、千年、二千年といった単位で開いた心でお互いの文化や歴史を見ることができる、小さなきっかけになれば幸いです」と日本に向けたメッセージを送った。
『王の願い ハングルの始まり』は6月25日より全国公開される。
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