「何もかも腐敗している」医療と政治の闇は改革できるか? 64名の若者の死から始まった衝撃的すぎる事実に震撼
巨大医療汚職を暴くドキュメンタリー! ひとつの事故をきっかけに製薬、医療業界さらには政界汚職へと発展
ルーマニアの巨大医療汚職事件を取り上げ、本年度アカデミー賞で国際長編映画賞、長編ドキュメンタリー賞の2部門にノミネートされたドキュメンタリー映画『コレクティブ 国家の嘘』が10月2日に全国公開されることが決定。このたび予告編映像も公開された。
公開された予告編は、2015年10月30日、ルーマニアのライブハウス「コレクティブ」でライブの最中に演出の花火が施設に引火し、一瞬にして壁を覆いつくすショッキングな映像で幕を開ける。
この火災により27人の若者が死亡したが、問題はそれだけではなかった。命を取り留めたはずの数十人も病院で命を落とし、最終的に犠牲者は64人に上ったのだ。
「助かった子がなぜ12日後に死ぬんです?」といった被害者の親たちが投げかける疑問。それを解明するため、小さな新聞社が立ち上がる。
地道な取材を続けたジャーナリストたちが事実の隠蔽を突き止め、「それを黙っていたら、私も共犯者になる」と告発。「衝撃的すぎて信じてもらえないかも」と女性ジャーナリストが吐露する場面も映し出される。
一方、就任記者会見で「信頼回復に努め、嘘を暴きます」と述べた新しい保健大臣は、記者に対し「大臣になってわかった。何もかも腐敗している」と語り、改革に乗り出すことに。
こうした事態に、人々は「医療は一部の悪人でなく全国民のものだ!」と叫びながら、汚職に関係した政府関係者に辞任を迫っていく。
映像は、「メディアが権力に屈したら、権力は国民を虐げる。それが、この国と世界で繰り返されてきたことだ」との言葉に続き、最後には「この事件は、あなたの国でも起きている」とのテロップで締めくくられる衝撃の内容となっている(https://youtu.be/9zmmfOYGfDM)。
フィクションのスリラー映画よりもスリリングなドキュメンタリー映画
本作品は、「コレクティブ」での火災を発端に明らかになっていく巨大医療汚職事件の闇と、それに立ち向かう市民やジャーナリストたちを追った、フィクションのスリラー映画よりもスリリングなドキュメンタリー映画だ。
監督は、世界各国の映画祭で上映され数多くの賞を受賞した『トトとふたりの姉』のアレクサンダー・ナナウ。地道な調査報道を続けるジャーナリストを追う前半から一転、映画の後半では熱い使命を胸に就任した新大臣を追い、異なる立場から大事件に立ち向かう人たちを捉えていく。
命の危険を顧みず真実に迫ろうとするジャーナリストたちの奮闘に思わず手に汗握るだけでなく、日本を始め世界中のあらゆる国が今まさに直面する医療と政治、ジャーナリズムが抱える問題に真っ向から迫る内容が評価され、世界各国の映画祭で28の賞を獲得し、51ものノミネートを果たした。
また、非英語映画でありながら、タイム誌が選ぶ2020年ベスト映画の第2位に選出されたほか、ローリングストーン誌では第1位に選出。ヴァニティ・フェア誌第3位、インディ・ワイアー第3位となり、ワシントン・ポスト紙は「これほど現代社会を象徴する映画はない」と評した。
『コレクティブ 国家の嘘』は10月2日に全国公開される。
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