宮崎駿作品が愛される理由…老人と孫、おいしい食事「老いていく過程や死」を見せることの素晴らしさ
#アニメーション#イリュージョニスト#ジブリ#バンド・デシネ#フランス#ブルーレイ#ベルヴィル・ランデブー#ホームシアター#宮崎駿#高畑勲#風刺
高畑勲や大友克洋も絶賛したフランスアニメ
アカデミー賞長編アニメーション映画賞と歌曲賞にノミネートされ、高畑勲監督も絶賛した21世紀フランス・アニメーション作品『ベルヴィル・ランデブー』。7月9日よりリバイバル上映中だが、7月16日にブルーレイで発売し、シルヴァン・ショメ監督からコメントが寄せられた。
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ショメ監督は、「題材として老人と子どもが登場するのが重要だ」と話す。
「『ベルヴィル・ランデブー』では、おばあさんと孫の自転車選手、『イリュージョニスト』(10年)では、年老いたマジシャンと少女。さらに現在準備中の新しいアニメーション作品(『The Magnificent Life of Marcel Pagnol』、2年半後公開予定)は、年老いた作家と子ども時代の彼自身が出会い、人生について語る話です。私は老人が子どもや若者と出会う話が好きです」と語る。
そして、年老いていく過程や死を見せることの素晴らしさを訴える。
「『ベルヴィル・ランデブー』の最後におばあさんは亡くなり、孫は老人になります。アニメーションは、現実の世界をリアルに描くことができるのです。それが私には重要です。宮崎駿監督の映画が多くの人に愛される理由もそこにあると思います」
劇場の感動をホームシアターでも楽しみたい
本作品は、内気な少年・シャンピオンが、おばあちゃんとともに特訓を重ねツール・ド・フランスに出場するも、マフィアに誘拐。おばあちゃんが最愛の孫を追い、愛犬ブルーノと共に大冒険する物語だ。
そんな本作品で印象的なのは、宮崎駿作品と同様、食や文化を象徴するエピソードをあちこちに散りばめているところ。
「この映画では料理が大変重要で、 皆さんに“文化”としてお伝えしています。(他の文化圏から見れば)奇妙なものをおいしそうに食べています。スープの中にカエルがいるでしょう。すごくおぞましいですね。でもフランス人には、何の問題もありません。だってそれはおいしいですから」
そう語るショメ監督の自宅には、ホームシアターもあると言うが、「映画に真の愛情と敬意を持った人たちと映画を見るのに最高の場所は、映画館だと思います」と強く語る。
ともあれ、VHSが主流だった『ベルヴィル・ランデブー』制作当時に比べ、「最近のブルーレイの品質の素晴らしさは驚くばかりです」とはショメ監督も認めるところ。映画館での感動を、自宅でも家族と何度も味わいたい。
『ベルヴィル・ランデブー』ブルーレイは、5170円(税込)で発売中。
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